【第265号】本気で取り組む姿勢

1.本気とは

 先日、本気を感じるセミナーに参加することができた。「本気で取り組む」「死ぬ気で取り組む」なんて言葉が死語になりつつある。「テキトーに」仕事をしているように見える人が増えてしまった。とても残念である。なぜ、本気になれないのだろうか。そもそも本気とは何なのだろうか。言葉の意味からすると「まじめな気持ち」「真剣な気持ち」ということとある。つまり「真面目にやっているのか」「真剣にやっているのか」ということが問われているのである。
 筆者がなぜ「本気」を感じたかというと、今できることは何か、をしっかりと考えて、それを実行に移していたからである。セミナーの講師の姿がそれであれば、参加している人すべてが「見習おう」になる。そして、それが難しくないことを感じることができる。

2.自分の原点

 そもそも自分の原点を忘れていないだろうか。社会人になって仕事を始めた時、今の職務についた時、今のポジションについた時、それぞれが「こんなことを成し遂げたい」「こんな自分になりたい」と思ったはずである。毎年、目標を作成しながら、こんなことにチャレンジしたい、こんなことが出来るようになりたい、と思っているはずである。しかし、いつの間にかそれを忘れてしまっている。その軸がぶれているから、真剣になれなくなる。もしかして間違っているのでは?意味のないことなのでは?と思ってしまっては、力が入らなくなる。会社から与えられた責任や義務の前に、自分の意思をまず確認する。何がしたかったのか、を確認することが重要だ。

3.「やりたい」から「できる」へ

 それができると、漠然と「こんなことがやりたいなぁ」と思っていたことが、「これができる」に変わってくる。本気で取り組んだら、不可能は可能になる。人間(自分)の能力を信じることである。過去を振り返っても、「よくこんなことができたなぁ」と思うことがいくつかあるはずである。人生、そんなに偶然にできるものばかりではない。自分の能力がそれを実現させているのである。
 本気で挨拶する、本気で問題解決に取り組む、本気でお客様にぶつかる、本気で会議で討議をする、を実行しているか。あきらめや惰性、何も考えないで取り組んでいないか、振り返ってみることも必要だ。本気になれていない自分に気づくのではないだろうか。今という時間は帰ってこない。無駄にしないためにも、「本気」で取り組む姿勢を確立しよう。