【第262号】いろいろな油断

今回、筆者が東京に行って感じたことがあった。それは、大市場東京で“甘えている”状況の店舗が多い事だ。競争が多い一方で、何もしなくてもお客様がやってくる。その油断を感じた点を上げてみた。

1.油断その1(飲食店①)

 その店舗は、駅ビルの中にある。レストラン街のひとつとなっている。筆者たちが訪れたのは、アイドルタイムといわれるランチとディナーの間の時間帯。比較的空いている時間帯でもある。大荷物だったので、それを他のお客様の邪魔にならない場所に置くように言ってくれたまでは良かった。筆者の集団は、比較的明るくにぎやかに談笑していた。だから気づかないと思ったのか、店員はプライベートな会話を真後ろで始めてしまう。これでは、キッチンが頑張って作った美味しい食事も台無しである。

2.油断その2(宿泊施設)

 宿泊施設に到着したのは、0時過ぎだった。施設は、スパなどを併設する監視宿泊施設(様々な入浴施設があり、リクライニングチェア兼ベッドもしくはマットで寝るタイプのもの)。50名の団体だったが、人数は事前に伝えてあったはず。しかし、対応は厳しい言葉で言えば最低だった。どのようにた対応すればスムーズにチェックインできるのか、誘導できるのか、まるっきり考えていない。混乱を生んでいるのは泊まりにきたお前達の段取りが悪いからだ、を感じてしまう。結局、風呂に入れたのは、男性で到着後1時間、女性は1時間半後だった。私たちへの言葉もお客様へのお願い口調ではなく、迷惑な団体客への命令口調。サービス業としての接客ではなかった。今回の団体は、ほとんどが東京在住者ではなく、北海道から沖縄までの全国から来た人たち。今後の重要なお客となる初めての利用者だ。逃した機会は大きい。

3.油断その3(飲食店②)

 朝食を食べたお店も団体への対応ができていなかった。普段、多くのお客様を同時に対応するオペレーションができていなかったのだろう。慣れていないのは見たらすぐにわかる。しかし、その後が問題である。慣れていないから、サービスが低下してしまっていることにイライラしていることが表情や態度からわかる。まるで、「お前達が悪い」のようである。オペレーションが徹底されていないのは、自分たちが悪いのである。そして、迷惑しているのは、店員ではなく、お客様なのである。確かに、話しに夢中になって、頼んだドリンクを運んできた店員が連呼しても反応しない人もいた。しかし、それは注文時にすぐに提供せずにテーブルに運ぶシステムの限界なのである。