【第259号】新入社員の君たちへ

1.若い人たちのエネルギー

 先日、飲食店を数店舗経営する社長とお話をする機会があったが、その際強調されていたのが、「最近の若い人のエネルギーは凄い」ということであった。「本当にバカにできないよ」というのが、その社長の言葉なのだが、世間では「やる気が感じられない」「覇気がない」「自主性がない」などと言われている。しかし、そうではないらしい。自分たちで進んで改善をし、サービスの質を上げ、お客様の評価を高めている。筆者も、そのお店に家族で訪れたことがあるが、本当に明るく元気いっぱいのお店だった。つまり、誰がそのエネルギーを引き出してあげるかが大事なのである。人間というのは環境の動物である。環境次第で大きく変わる。その環境は整っているだろうか。「?」が付く会社はまだまだ多い。

2.誰を見習うか

 リーダーシップの根源は、「率先垂範」である。ハツラツと仕事をしている先輩社員、上司がいないと若手は仕事に夢や希望を持てない。彼らの親の世代も苦労して、仕事を辛いものとして捉えている人が多い。仕事を楽しんでやるものとして、手本になる大人が少ないのは残念なことである。
 新入社員は身近に見習う人がいないケースが多い。ここ数年、採用を控えていたため、若手の社員がいない会社が多いためだ。一番、歳が近い人が一回り近く年上という場合もある。会社としても、新入社員のエネルギーを引き出せる人を育て、配置していく必要があるし、新入社員もそういう人の仕事の仕方をしっかりと学んでいく必要がある。そういう環境をいかに整えていくのかをもっと真剣に考える必要がある。

3.時間を無駄にするな

 新入社員にとって一番重要なのは、「今、この瞬間は2度とこない」ということである。勉強は一生続けていかなくてはならない。終わりはない。しかし、20代のこの瞬間は今しかない。体力的にも、吸収力も一番かもしれない。この時間を無駄にすることはない。「全力で取り組む」ことを知らない人もいるかもしれない。経験したことがない人もいるかもしれない。その経験を是非することだ。未知のことを知る喜び、失敗から学ぶ面白さ(恥ずかしさではない)、小さな達成感の連続、それが新社会人のワクワクでもある。
 知らなくて当たり前、できなくて当たり前、だからこそチャレンジする価値がある。1年目はできなくても構わない。2年目、3年目になってもできないでは情けない。1年目だからこそ、いろいろなことに挑戦できるということである。