【第258号】気づかせて徹底させる

1.本当に「自主的」なのか

 そろそろ今期の目標の達成状況の振り返りと、来期の目標づくりの時期になってきている。会社として、部門として、個人としてどうだっただろうか。目標は掲げた以上、達成することが望ましい。しかし、達成していればいいというものでもない。達成するために、必要だと考えた手段はどうだったのか。本当に実行されたのか。そして、その結果、目標が達成されたと言えるのか。
 そして、もう一つ重要なのが、「やらされた結果(本人がそう感じている場合も含む)」なのか「自分から進んでやった結果(本人がそう思っている場合も含む)」なのか、である。やらされた結果、達成したものであれば、それはたまたま上手くいっただけで、力になっていない場合が多い。目標の達成にムラがある社員は、要注意である。

2.目的の先にあるもの

 なぜ、自主的にならないのか。やらされ感満載になってしまうのか。それは、達成した時の自分をイメージできていないからである。達成できたらどうなるのか、どういう自分になるのか、がわからない。だから、まず気分が盛り上がらない。「どうせ・・・」というところから抜けきれないのである。「目標が達成できたら、自分の給料も上がるし、上司からも褒められるし、お客さんにも喜ばれる。そうなると嬉しいな。」というところまで、イメージできていれば、達成できた時の自分が明確になっているので、「こうしたらいいな」「ああすればお客様も喜ぶかも」という自分なりのアイデアも出てくるようになる。
 自分の頭で考え、実行していくという流れができれば、取り組む姿勢も変わってくる。

3.背中を押してあげる

 部下にそういう動きが見えてきたら、上司は、「あとは任した」にならないようにする。ここからが重要になる。まず、そういう部下の動きを認めてあげる。「いい調子だね」「勢いが出てきたね」「お客様が待っているよ」と声をかけてあげて、しっかりと寄り添っている姿勢を見せることである。
 また、あれやこれやとアドバイスすることも必要だが、その前に、自分が率先してお手本を見せ続けることである。部下は、言うとおりにするよりも、やっていることを真似るものである。
 上司だけでなく、お客様にも認めてもらえるようになると、自分で考えることが楽しくなる。「考えて、動くこと」の重要性に気づかせてあげたら、あとはフォローを続けて、継続させることである。目標チェックをするだけがリーダーシップではない。