1.若手営業マンが抱える課題
先日、弊社主催の営業担当者向けのセミナーが終了した。参加者に共通しているのが、「自分の営業スタイルに自信がない」ということだ。営業1年目ならともかく、2年目の方も3年目の方も同様に自信がない。それも漠然とした自信の無さなのだ。準備段階なのか、訪問段階なのか、書類の作成なのか、クロージングなのか、どのステップで躓いているのかもぼんやりとしていて、答えられない。これは、「これが見本」というものが、彼らの中で確立されていないからである。自分に不足しているものという点で、ほとんどの営業担当者が「商品知識」と答えるのと同じである。これも以前のコラムで指摘したが、商品知識を覚えたという達成基準は作れるのか。永遠に作れないはずである。ここには問題の本質はない。
2.どうしたらお客様と向き合えるか
営業担当者が真剣に考えなければならないのは、今、自分の目の前にいるお客様の抱えている問題点を解決できるのか、解決できるとすればどうすればいいのか、である。セミナーでも参加者にはアドバイスしたが、これからの営業担当者は「考えて、考えて、考え抜く力」が必要になる。「考えるより行動」という営業担当者は多いが、それでも一定の思考力は必要なのである。
問題の本質を捉え、課題を抽出し、解決策を一緒に考えることができなければ、お客様から指名される営業担当者にはならない。それができない状況で、「いつも相見積もりを取られる」と嘆いても仕方ない。それは、自分の存在価値が認められていないのである。
3.トップセールスへの道
多くの断り文句の中でも「忙しい」を上げる参加者が多かった。これはお客様における優先順位がまだまだ高くないからである。本当に会う必要があると思えば、どんなに忙しくても、忙しいを口実に断られることはない。
トップセールスの共通点は、ファンづくりがうまいということである。どんな形であれ、紹介者を持っている。それは、価格や商品ではない。その人(営業担当者)のお客様に向き合う姿勢を評価されているのである。価格や商品では、関係は長く続かない。いずれ価格も負ける時が来るし、新商品発売の時が来るからである。
また、彼らは誠意と熱意も合わせ持っている。筆者も体験したが、自分が勤めている会社やその上司が認めてくれる前に、お客様の方が先に認めてくれることも多い。それだけ、お客様は営業担当者のことを見ているものなのである。