【第241号】どうしたらやる気になれるのか

1.辛いままでいいのか

 なかなか人から「やれ」と言われたことはやる気にならないのが人間。よく言われる「自分から」という部分が大事である。しかし、世の中「指示命令系統」という言葉があるように、仕事の多くは「指示命令」で成り立っているのも事実。どうすれば、やる気が高まるのだろうか。
 社員が辛い気持ちのままで、仕事を任せても「やらされ感」満載の状態であり、決していい結果にはならない。いい結果にならないということは、「成果」も上がらないし、社員の不満やストレスを増加させる要因になってしまう。いつまで経っても仕事に取り掛からる気持ちになれず、ズルズルと先送りされ、ギリギリになってやる仕事では最初から結果が見えているということなのだ。

2.誰かに認めてもらわないとダメなのか

 「上司は褒めてやらないとダメ」ということもよく言われる。しかし、本当にこれでいいのだろうか。褒めることは重要である。仕事ぶりを認めてあげることも必要である。しかし、「褒めないと動かない」状況を作り出さないようにしなければならない。
 本来の「自立」や「自主性」というのは、他人に指示されなくても動く、ということだけでなく、他人の評価に左右されずに、自分の意思で行動することができることも含まれている。あくまでも「自分は自分」なのである。他人から厳しいことを言われようと、無視されようと、自分がやると決めたことを実行していく。これが本当の意味での自主性なのだ。上司としての「認める」行為は必要であるが、部下側が、「認めてくれないからやらない」は理由にならない。

3.自動的に進めるように

 ここは難しい課題でもある。認めてくれないからやらないのか、やっても認めてくれないからやらないのか、では大きく違う。
 部下が自主的に取り組めるようにするためにはどうしたらいいのか。それは「やる気」のスイッチ、自動的に行動を起こせる仕組みをどう作るかにかかる。
 もしかしたら、バナナをぶら下げることかもしれないし(達成したらお祝いだね、報奨金があるよ、等)、素晴らしい未来を想像させること(この目標が達成できたらお客様はすごく喜んでくれるね、お客様も私たちもハッピーになるね、等)かも知れない。いずれにしても、どうしたら停滞している、動けなくなっている状況を脱することができるのか、そのきっかけになることは何なのかを把握しなければならない。上司も知る必要があるし、部下本人も自分にドライブをかける意味でも知っておくことが重要となる。