【第232号】組織づくりの難しさ

1.着眼点はどこにおくべきか

 「組織は戦略に従う」が大原則である。しかし、それを守れていない会社が山のようにある。中小企業はどうしても仕事が「組織」にではなく、「人」についていく。だから、何らかの事情で人事異動が起こると、組織名称が変わってしまう。新たな取り組みをしようとすると、組織をいじってしまう。辞令を出さないとケジメが付かないと考えてしまうのである。
 確かに兼務の難しさはある。軸足をどちらにおいていいのかわからず、中途半端になるリスクもある。だから、はっきりとしておこうとして辞令を交付してしまう。しかし、その組織のすべきことがそれほど明確になっていないなかで、辞令を出しても結局は以前の部署の仕事が中心になり、組織の役割が不明瞭になることは避けられない。

2.組織の発展を意識しているか

 組織というは、企業の規模やノウハウの習熟度に合わせて発展していく。ライン&スタッフから機能別、そして事業別、最終的にはホールディングスやカンパニー制などになっていく。
 そういう組織の成長を意識して今の組織を見ているかも重要になる。そうすると、将来、どのような展開をしていかなければならないのかも見えてくる。将来の組織図を描くときに、形が見えると戦略とのマッチングも図り易くなる。
 組織の形にはメリット・デメリットがあるので、自分たちの事業と権限委譲のレベルや権限の集中度合(これらは人材の成長度合とも関係してくる)をどうするかも決めなくてはならない。最終段階になれば、経営と資本の分離についても検討課題になってくる。

3.働く環境を意識しているか

 一番大事なのは、働く社員の環境である。ハード面(施設など)の環境を考えなくてはならない。それ以上に、働き易さをどうするかが重要となる。
 どのようにしたら、モチベーションが上がるか、人間関係が良好に保てるか、は大切なポイントとなる。コミュニケーションの問題点はないか、方針の浸透度は十分か、目標に対する理解度・納得度は十分か、などのチェックポイントがある。それらが不十分になると、働き易い環境とは言えなくなる。
 自分が任されている、組織から必要とされている、役割を果たせている、という思いがあってこそ、社員はその組織のために働こうというモチベーションが高まる。
 また、個人は組織を通じて社会貢献することも重要となる。その使命感も明確化してあげることが組織への忠誠心にもなる。