【第225号】反省ばかりに時間をかけない

1.過去を振り返る価値

 日本人は反省会が好きである。イベントを行ったあとの反省会。月や四半期などの区切りにおける反省会。1年を振り返って、年度を振り返っての反省会。いつもいつも反省会をしている。しかし、これだけ過去を振り返っているのに、進歩しないのはなぜだろうか(これを反省しても意味がないのだが)。
 反省会では、「○○ができなかった」「△△が計画通りではなかった」などと、できなかったことのオンパレードになる。これができた、あれができた、という意見は少数である。延々とできなかったこと、やっていなかったこと、失敗したことを羅列していく。とっても落ち込む時間でもある。「こんなにダメだったのか・・・」になる。

2.どうしたらできるのか

 一生懸命やって、結果は良くなかったかもしれないが、それなりに達成感があっていいはずなのに、ダメ出しばかり。これでは次に繋がらない。ダメな自分に自分の意識がフォーカスされてしまうからだ。「自分ならできる」と思っている社員と「自分はだめだ」と思っている社員のどちらがパフォーマンスが高いだろうか。自分を肯定して、自分を信じている社員の方が可能性は高い。
 考えるべきは、「できなかったこと」ではなく、「どうしたらできるか」なのである。失敗するかもしれない、ではなく、自分たちはできる、やれる、という可能性をを信じられるまで、検討するということである。
 やれなかったことを数多くあげても、対策にはならない。同じ時間をかけるのであれば、できるようになるために何をすればいいのか、どう変わればいいのかを考える。

3.次のやれた時をイメージしよう

 実行力をあげるためにはどうすればいいのか、というテーマのコラムでも触れたが、これにはイメージしていくことが効果的である。自分のできている姿を想像する。やろうとしていること、課題が解決された状態をイメージする。そして、その達成感やワクワク感を覚えておくことである。それがモチベーションになる。
 できない反省、失敗の反省を繰り返していると「失敗したらどうしよう」「またできなかったらどうしよう」と失敗するイメージ、怒られるイメージばかりが脳にインプットされる。スポーツの世界にもあるように、脳はインプットされた映像をなぞって行動する。失敗するイメージ、怒られるイメージがインプットされた状態がいかに危険か想像がつく。自分の可能性を信じ、プラスのイメージを持つようにすべきである。