【第218号】いまどきの新入社員

1.今年もまじめである

 ちょうど新入社員の研修の時期である。あちらこちらで実施されているようだが、タナベ経営でも、3月の下旬から4月の上旬にかけて新入社員の研修を実施している。ここ数年まじめな参加者が増えている印象があるが、今年もその傾向は変わっていない。みんなまじめに取り組まれている。
 グループで討議する際も、みんな真剣であるし、役割の分担も自ら進んで引き受けて、チームワームよく討議している。ここは例年にないレベルの高さを感じる。研修を明るく、楽しそうに受けている姿は頼もしさを感じる。まじめなだけでなく、積極性や自主性を持ち合わせているように見える。

2.ポテンシャルは高い

 チームで作業する場面もあったが、スピード感がある。参加しているメンバーがそれぞれの役割を認識し、分担を進めながら作業をする。なかなか連携も取れている。明るい点も伸びる大きな要素である。全員が明るくできているわけではないが、比較的多くの参加者が前向きに取り組んでいる。研修1日目のレポートと2日のレポートの内容を見ると、たった1日でこんなに成長するか、というぐらい内容が違う。
 受け止める側の吸収力が大きいから、アウトプットする側のエネルギー消費も大きい。でもそれは講師としてのやりがいでもある。
 トータルで見ても、今後の成長はかなり期待できる世代にもみえる。ポテンシャルが高い。元気がないわけでもなく、それでいて浮ついているわけでもない。丁度いいバランスである。男性、女性の違いや高卒、大卒の違いも徐々になくなってきている傾向も変わらない。

3.これからの課題

 はっきりと自分の意見を言うのは、気持ちいいぐらいだが、まだ、情報の入手ソースに偏りがある。特に新聞、テレビを主な媒体としているのは多少問題である。そのため、社会でネットの活用状況が高くないのに驚いた。日々の友達のやり取りも、LINEやメールでない人が意外と多かった。
 また以前に比べて、参加者間の格差も大きくなってきている。ついこの間まで学生だったのか、と思うぐらいしっかりと自分の意見を言える参加者がいる一方、このまま社会人で通用するかな、という参加者もいる(能力ということではなく、態度や姿勢、考え方)。
 共通しているのは、研修中に幾度か見せてくれた輝いた目を曇らせることなく、成長していってもらいたいということである。夢をかなえている若者を見る機会が増えてきているだけに、期待も膨らむ。