【第216号】増税前夜

1.売り場は熱い

 3月に入ってからの週末のスーパーはすごい混雑になっている。日用品の買いだめが始まっているからだ。売り場も当然、そのような品揃えになっている。これまでは、使い易いように、小分けされたものが中心だったが、大容量のものが並ぶようになっている。トイレットペーパー、ちり紙、ゴミ袋など、買いだめできるものも特売になっている。数日すれば、冷凍食品もこれに加わるだろう。カップ麺やスナック菓子類も同様である。また、調味料やアルコール類も先行買いの対象になることが予想される。
 殺到するような状況ではないが、衣類関係や家電関係も売り場を見ているとそのような動きを見込んでいる。当然、新生活への応援セールが始まっているが、それと同時に消耗品のまとめ買いを促すセールが同時に進んでいる。

2.予想されるマイナス成長

 当然、これだけ普段以上に力を入れているのだから、その反動はある。買いだめしたものが消費される間は、物を買わないのだから、来年度の第一四半期は影響大である。政府の予測もマイナス成長になっている。問題は、それがどこまで続くか、である。
 確かに消費税増税を決定した瞬間の経済成長率は高かった。しかし、その前後を見ると、決して安心できるレベルではない。ましてや今は復興予算や補正予算で、景気の底上げを図っての成長率である。
 お金をばら撒いても、何かを作る計画が出来て、仕事をする人・使う材料がそろわなければ、予算は消化されないので、経済効果は出てこない。現時点では、それが壁となっているケースが見られる(復興の遅れなど)。

3.戦闘の準備は整っているか

 みんなが様子見になることが予測される4月以降、自分たちがどう戦っていくのかの見当はついているのか。ライバルたちが立ちすくんでいる間に、攻めの姿勢で先制攻撃する準備は整っているのか。そこがポイントである。
 しっかりと準備できている企業は、年が明けた段階から3月までの戦い方だけでなく、4月以降の戦い方も視野に入れてきた。その企業は強い。準備ができていない企業も今からでも遅くはない。しっかりと4月以降の戦い方を検討し、すぐにでも取り掛かるべきである。早ければ早いほどいい。様子を見ている、ということは、みんながやったことを真似てくるということである。いづれみんな横並びになる。であれば、早くに始めた方がいい。「価格」にフォーカスするのではなく、「価値」にフォーカスする。お客様だけでなく、社員の意識を変えるにもチャンスである。