【第212号】チームの定義

1.チームとは

 「チームプレーが大事」「組織力が重要」と言われるが、そもそもチームとは何なのだろうか。チームとしての定義はいろいろとあるが、まずは「チームミッション(目的)が共有されている」ということがあるだろう。ここが大前提であると思う。チームがどこへ向かっているのか、メンバー全員が理解しているということだ。次が「メンバーが自分の役割を理解し、それを果たしている」というのが続く。チームには役割分担がある。その果たすべき役割・責任を果たしていくことも重要になる。もうひとつが「本音で議論できる(言い合える)仲間がいる」ということになる。この3つが大きな要素となる。これが実現できていないと、チームとは呼べない。

2.チームの構成員に求められるもの

 最低限、この3つの前提は理解して欲しい。チームには、目的があり、そして自分には役割があり、建前の議論はしてはいけない、という認識は持ってもらいたい。
 目的を理解することは難しいことではないのだが、表面的なものだけに終わらないようにすることが肝心である。数値目標、業績貢献目標は重要だが、チームの目的はそれだけではないはずである。信用力だったり、顧客との良好な関係づくりもある。それを総合的に掴んでおくということなのである。
 役割に関しては、その責任と範囲が重要となる。ひとりひとりがここで成果をあげていかないと、だれかがそれをカバーすることになる。ここはチームの協力体制とも関わってくる。そして、本音で議論すること。綺麗ごとばかりでうまくいかない。誰かに遠慮していてもうまくいかない。厳しいことも言い合う関係がチームには必要だ。

3.チームリーダーに求められるもの

 リーダーはそういう状況をチームの中に生み出せるかどうか、である。チームとしてのルールを作って守らせることは重要であるが、それをやり過ぎると、本音が出てこなくなったり、自分さえ良ければいい、になったりする。リーダーの指導が行き過ぎ、叱咤激励のつもりがいじめに捉えられると、自分さえよければいい(自分が怒られなければ)、という雰囲気ができてしまう。これが最悪の状況である。
 リーダーはメンバーの構成員の言い分をしっかりと聞くことである。そして、良いチームは3つの前提がうまく機能している状況なのであるから、その状況を作り出すようしなければならない。本音で議論させていないのがリーダー自身なんていうのも良くある話しである。注意することが必要である。