【第152号】アウトプット力

1. アウトプットに必要な知力・体力

 「アウトプット」を意識しないとダメだよ、とアドバイスすると、「知っていること、学んだことを伝えればいいんでしょ」と返されることがある。機械のように、インプット=アウトプットであればいいのだが、人間はそんなにうまくできていない。
 まず、本で読んだことも記憶していなければアウトプットできない。自分の言葉に変換できないものはアウトプットできない(一字一句同じ表現はできない)。理解できていないものもアウトプットできない。このように知識の面で、まず100%にならないのである。また、人前で話す、話し続ける、相手の反応に合わせて話す、というのは体力を消耗する。体調万全でないと、自分の話そうと思ったことも話せない。ここでも、体調次第では、100%にならない。この両面からすると、普通は、知っていることの10%~20%ぐらいになってしまう。

2. アウトプット効率

 アウトプット力を高めるためには、この比率をいかに高めるか、「アウトプット効率」を上げるかにかかってくる。まず、あるテーマ(事項)に必要なことは予めメモに残しておく。記憶に頼ることは危険である。そして、表現力を磨く。特に話す相手(多くは部下や同僚が多いと思うが)に、何に例えて話せば通じるのか、を考えるということである。そのためには、様々な事例をインプットしておく必要がある。
 当然、話すことを嫌がって、機会を作らないとうまくならない。1対1はうまく話せても大人数になるとうまくいかないのは、訓練していないからでもある。また、すぐに長い時間話せるようになるには、時間がかかる。1分や2分ぐらいから始めてみる。ただし、短く話したい内容を、ポイント押さえてまとめるのは簡単ではない。話せる時間とまとめられる時間のバランスが難しいのである。

3. どのようにコントロールするか

 アウトプットの量はインプットの量には比例しない。たくさんのことを知っていても、アウトプットしない・できない人はいる。しかし、その逆は成立しない。まずは量をインプットすることである。では、どのようにアウトプットの量を確保していくか。
 これは以前にもコラムで紹介したが、「やらざるを得ない仕組みをつくる」ということである。どこかでスピーチをしなければならない、となれば練習する。どこかで講師を務めなければならないとなれば、勉強する。ということである。
 アウトプットの質は「受け取り手」次第である。話を聞く相手のレベルが高ければ、当然アウトプットのレベルも上がることになる。