【第151号】仕事の生産性の更なる向上へ

1. 隙間時間の活用アップ

 隙間時間の活用はこれまでのこのコラムでも紹介してきたし、あちらこちらの講演会やセミナーでも紹介してきた。それは、15分単位の仕事に分割し、それをクリアファイルに入れて移動の合間などに処理していくやり方である。筆者もそれを実践していたが、この1ヶ月、仕事が重なり、それでは間に合わなくなってきた。どうすればいいのか、考えてみて、ひらめいたのが、15分と見積もった仕事を10分で片付ける、というとても単純なことであった。そうすると、1時間で4つしかできなかったことが、6つできることになる。1.5倍の生産性向上となる。これが意外とできてしまった。15分と見積もっていた仕事に、余計な時間をみていたのだ(余裕をみていたのか)。幾つかの仕事に向き合うと、5分短縮なのだが、生産性は1.5倍。かなりの集中力を必要とするが、対応できるようになった。

2. あきらめない粘り

 これにはいい意味での副産物もあった。これまでは15分単位だったので、時間が10分ぐらになるとあきらめて手をつけていなかった。それが残り時間9分ぐらいでも、手をかけるようになる。「もうひとつ片付けてしまおう」になるのである。
 こうなると、「ちょっとでも先に進めておこう」「準備だけでもやっておこう」になる。これができるようになって、この忙しい期間、仕事の納期遅れだけはいまだに発生させていない。
 また、割り切りも重要である。疲労困憊の夜にダラダラと仕事を続けるより、夜はぐっすり寝て、すっきりした朝に集中してやるのも手である。想定していた時間よりも早く終わる。

3. 活用できるものを増やす(ノウハウの蓄積)

 もうひとつ心がけるのが、「1(いち)からの仕事を減らす」ことである。以前、似たような仕事をしたことがあれば、それを参考にする。誰かが知っているようであれば、それを参考にさせてもらう。
 ただし、活用の仕方にも工夫が必要である。あまりにも前例にこだわると余計な仕事になることがある。最初から作った方が、頭もクリアな状態で、すっきりとした内容のものになるからである。変更、変更と全て変更になると、意外と時間がかかる。活かせるもの、活かせないものの判断がすばやくできるようにならないと、過去のノウハウの活用は難しい。
 ノウハウが蓄積されてくると、他人に聞く必要がない分、生産性が上がる。だから、若いうちはいろいろな仕事を経験することである。事務処理は女性の仕事、と言って覚えない男性社員もいるが、全てを経験することが力になる。