【第149号】「言うだけ番長」になっていないか

1. 評論家は楽チン

 チームの中に「評論家」が存在すると、チームワークは悪くなる。その人はあくまでも傍観者だからである。みんなが忙しい中、「あいつはあれができていない」「こいつはこれをやっていない」と批判ばかりする。そういう人間は褒めることも少ない(もしくはない)。
 その人間は楽チンである。言っていればいいのだから。どんなに役職が上だろうと、関係ない。部下はそういう人間を冷ややかにみている。「それだけわかっているなら手伝ってよ」と。やっている側は一生懸命である。確かに遅れることもあるし、ミスもある。しかし、何かをやり遂げようと取り組んでいるからこそ、遅れもあるし、ミスもある。何もしていない人間は、遅れもないし、ミスもない。
 客観的に見ているといえば、聞こえはいい。しかし、発展はない。何もしないからミスがないだけなのに、批判をするのでは、チームはまとまらない。

2. 言う前にやる

 もし言うのであれば、言う前にやるべきである。手伝うなり、代わりに実行するなり、やることはいっぱいある。それをしないで、批判ばかりしていては、空気が悪くなる一方となる。確かに仕事が思ったように進まなかったり、ミスを犯しているのであれば、そちらがまずは問題ではある。しかし、それを批判しても作業の遅れが挽回できるわけでもなく、ミスがなかったことになるわけでもない。
 アイデアを出し合い、アドバイスすることで、進歩がある。遅れやミスがカバーされる。「これはこうした方が早く進むよ」「それはこうすべきだったね。こうやったら修正できるよ」など具体的に指摘しながら、リカバリーしていく。

3. 「協働」する

 いっしょに働く職場なのだから、いがみ合っていても仕方がない。またそれぞれを補完し合うために組織で仕事をしているのである。批判する側が完璧だということはないし、いつ批判される側に回るかもしれない。
 特にイベントやプロジェクトなど関わる人間が多い場合、誰か一人でも文句ばかり言う人がいるとまとまらなくなる(ほとんど場合、役職が多いので困るのだが)。
 協力して働く、という「協働」を意識しないと難しい。まじめにやっている人ほど、人の仕事の遅れやミスが気になるし、許せない。しかし、自分ひとりでは何もできないのである。どんな人でも形は違っても一生懸命なのである。初めから怠けてやろう、なんて思っている社員は少ない。お互い信頼し合ってチームとしての成果を上げて欲しいものである。