【第148号】自分の中での優先順位を正しくつける

1. 頭の中だけで整理しない

 人間の頭の中は優秀で、整理機能もついているが、それでは複雑な条件整理をしなければならない仕事の優先順位付けを勝手にやってくれるかというと、そういう訳にはいかない。なんらかの形で、優先順位をつける、という作業しない限り、思いついた順に仕事をこなしていくことになりかねない。
 それでは、どのように整理すればいいのか。どうすれば正しい優先順位が付くのか。筆者が活用しているのは、「ノート」である。私は、無罫タイプのラインなどが入っていないタイプのノートに、黒・赤・青の三色を使いわけながら、思いついたことを書き連ねていく。できあがりは、ワープロのようにきれいにならないが、思考過程がそのまま残るので、あとで何度も推敲していく時に便利である(これは、細切れ時間活用の際にも有効になる)。あまり消しゴムで消すこともしないで、修正したものがわかるように二重線などで消すようにしている。

2. 常に意識する

 やるべき仕事は常に頭の中で、何度も思い出すようにしている。やらなければならないことを付箋紙に書き出し、スケジュール帳に張ってあるので、それを見ながら、完成図を予想する。「こんな形に仕上げよう」「こんな形になるかな」など、できあがりを考えてみる。それを繰り返すことで、少しずつアプローチが明確になっていく。
 この段階で、欲張らないで、きっかけを作っておく。PCには、やるべき仕事のフォルダーを作成しておく、だとか、企画提案書を作成する場合であれば、その提案書の参考になる資料を同じフォルダーに集めておく、であるとか、そんなに頭を使わずにできる準備をしておく。そういう資料に目を通しておくだけで、イメージしているものが具体的になってくる。

3. 細切れ時間の活用

 細切れ時間は誰にでもある。電車待ちの10分、昼休みの15分、移動中の電車の中・・・そのような細切れの時間を有効活用する。その際、ノートを使っていると、これまでの思考プロセスがわかるようになっているので、思い出すのに時間がかからず、短い時間を有効に使うことができる。
 そして、ノートに付け加えておく。それを繰り返しておくと、それを元に資料を作成することはそんなに難しくない。
 キーワードも思いつくまま記入しておく。それが“熟成”してくると、わかりやすく、シンプルな本質の言葉がでてくる。
 時間の有効活用や手帳の活用は、頭の整理でもある。