【第144号】食欲の秋に思うこと

1. アンテナを張っている人に届くメッセージ

 筆者は新聞を3誌購読している。雑誌は2誌。メルマガは7種類。定期的な情報ソースとしてはこれらが主となり、その他に最近はSNSの広告が加わった。特に、facebookの広告は魅力的である。自分のネットとリアルの両方で付き合いのある方が、ある企業広告に「いいね」をしていると、それが表示される仕組みになっている。あたかも、「これ、いいいと思うんだけど、あなたもどう?」と誘われているようである。
 これは、何かいい物ないか、美味しいものは無いか、楽しいものはないか、とアンテナを張っている人にとっては、有益な情報提供である。有名かもしれないが、会ったこともない芸能人が進める商品(しかも使ったことがなさそうな)より、無名かもしれないが、知っている人が「いいね」と進める商品の方に関心が向くのは当然である。

2. 自分たちのキャパとチャネル

 地方の中小企業もこれを導入しつつある。一種のバイラルマーケティングと言えるかもしれない。中小企業は、大量生産が必要なほど、メガヒットする必要はない。徐々に売り上げが伸びていく身の丈にあったヒット商品を育てていくレベルである。であれば、ジワジワと商品の認知度があがり、売り上げが確実に伸びていく「口コミ紹介」手法はマッチしている。また、店舗展開して大量生産する必要がなければ、ネット通販(お取り寄せ需要)で十分である。
 つまり、自分たちの生産能力、必要売上からどのように発信して、販売していくのかが決まってくる。輸入食材や自分のところで栽培している作物、小さな工房で作製している服飾品など、価格競争とは無縁の市場で商売をしている。

3. 魅力をどうPRするか

 入り口は「facebookの広告ページ」であったとしても、その先の売り込み方、商品の見せ方はまちまちである。
 食材は、当然その「味」をどうアピールするかが重要となるし、製品であれば、その機能のレベルの高さを伝えることが重要となる。
 ある革製品を提供しているところでは、サンプルの革を無料で提供しているものもある。店舗展開もしているが、通販のお客様には、そこまでのサービスをしてでも購入してもらう価値があるということである。
 ネットは距離も時間も制約をなくすことができる。海外のものも、国内の遠距離のものもそこにあるかのごとく商品を見ることができる。店舗ならやっていないであろう時間帯でも商品や値段を知ることができる。
 日々、美味しいものを探すのが楽しみになってきている今日この頃である。