【第139号】人間関係の許容量

1. どのくらいの人と同時に付き合えるのか

 筆者が仙台から新潟に転勤してきて1年半になろうとしている。仙台で11年間築いてきた人間関係プラス新潟での1年半の人間関係になるのだが、その中身はどうだろうか。
 仙台と新潟という「距離」が出来たため、人間関係が続くのは、その「距離」のハンディを克服できる関係なのかがポイントとなる。職場の同僚とは定期的に顔を会わす機会があるので、問題ないが、引き継がなくてはならないお客様とはどうしても疎遠になる。プライベートの友人たちとも、年賀状だけのやり取りになったりする。ネットを通じた関係だけは、「距離」を感じさせずに近況報告をし合えるので、関係が切れていない状況である。
 新潟に来てからは、仕事はどうしても一部の人と深く付き合うために、限定的な数に留まっているが、プライベートはSNSを通じてリアル(現実)に、名刺交換した人の数は積極的に活動を開始したこの半年で100名を超えた。

2. どのくらいご無沙汰したら関係が消えるのか

 関係が消えるという表現はもしかしたら、適切ではないのかもしれないが、自然消滅的に関係が疎遠になることはある。これは前述のとおり、距離がまずあり、そしてそれが時間となり、疎遠となる。
 時間的なものさしがあるわけではないが、心理的に「もう会うことはないな」と感じたところがポイントではないだろうか。ビジネスで言えば、取引の終了や担当者の引継ぎなどがあるし、プライベートでは、筆者のような転勤に伴う転居などもそのひとつであろう。
 一方で、facebookやブログ、メーリングリストなどでつながっていると、距離ができても、あるいは実際に合う頻度が極端に減っても、関係が消えた(つまり、「もう会うことはないな」という感覚)状態にはならない。

3. 新しい関係の築き方

 ビジネスで名刺交換した人はこの1年半で500枚近くになる。プライベートでも100枚を超えた。お会いした方で名刺交換していない人も含めると更に多くなる。
 SNSの世界は、“友だち”の数が機械的に制約を受けている。ツイッターもフォロー数に2000というひとつの制限があるし、facebookも5000という制限がある。だから、自然と「友達を整理する」という行為が発生する。疎遠になった人を機械的に友達でなくす行為である。しかし、現実の世界では、難しい。疎遠になった関係を放置することは簡単だが、逆に新しい関係を維持していくことは難しい。
 友人リストを作ることはあまりないが、それでも、自分の交友関係(公私ともに)を振り返る機会を設けることは重要である。