【第136号】発信力の魅力

1. 知ってもらうことの重要性

 コミュニケーションをとっていく上で、一番重要になるのが、信頼関係である。上司部下の間でも、同僚においても信頼関係がないとコミュニケーションが成り立たない。それがわかっていながら、基本的スキルである「自分の思いを伝える能力」や「人の話を聴く能力」が不足してしまっている。
 自分自身を振り返ることがやはり少ないのが原因のひとつである。自分の強みや弱みがわかっていない。また、自己PRも弱い。人前で話す機会が少なく、ボキャブラリーも不足しているため、自分自身がもどかしくなるようだ。
 最近のSNSの発達で、初めて会うのに、初めて会う気がしないというケースが増えてきている。プロフィールの欄には、生年月日から趣味などが記されており、人柄もわかる。アップされている記事を見ることができれば、さらにその人のことを理解することができる。

2. 情報の特性

 情報というのは発信するところに集まる。情報を発信していないと、自分のところに情報は集まってこない。これはSNSをやっていると痛感する。ツイッターであれ、フェイスブックであれ、発信しない限り、自分あてのメッセージは来ない。レスポンスもない。つぶやいていれば、何か記事をアップしていれば、反応がある。ツイッターであれば、RT(リツイート)やフォローがある。フェイスブックであれば、いいねやコメントがつく。
 普段、多くの記事をあらゆる時間帯に発信している人には反応が多い。数日に1回程度の発信だと、反応は少ない。当然、交流の多さにも関わってくる。
 意図した発信より、何気ない発信に反応が多い。心を打たれた写真や、エピソード、熱い思いなどは共感を得られやすいからだ。
 最初は、文章を書くことや人前で話すことが苦手でも、発信を続けていれば、質が向上していく

3. 双方向性の向上

 電話、メールからSNSに移行するにつれ、双方向性が高まっている。やりとりを重ねることで、批判的意見や誤解に基づく意見に対するある意味での耐性もついてくる。批判を前向きに受け止め、自分自身の足りないところを自覚し、成長につなげることができる。
 発信する力がついてくると、実際の人間関係においても積極的なる。異業種交流会や様々な会合や集まりへの出席も楽しくなり、知らない人に囲まれても平気になる。話しかけることや話しかけられることに“慣れている”からである。発信力はその人の魅力につながる。身に着けてほしい能力である。