【第129号】移動するオフィス

1. 業務処理効率化

 ここ最近「ノマドワーカー」なる言葉を目にするようになってきた。いろいろな解釈があるようではあるが、簡単に定義すれば、「どこでも働ける環境にあるワーカー」とでも言えようか。PCや携帯などの情報端末を駆使して、移動中や飲食店の中などで仕事をこなし、特に決まったオフィスを必要としない仕事のやり方でもある。
 駅のホームやファーストフード店などでもPCのキーボードをたたいている人を多く見るようになってきた。メールのレスポンスも早くなるし、移動+メール作成、食事後の休憩+資料の作成、などの時間的な短縮による生産性の向上が図れる。
 基本的に、生産性があがらなければオフィスで仕事をした方がいい。手元資料もたくさんあるし、コピーも取れる。外部の雑音に悩まされることもない。

2. コワーキング・スペース

 そういったノマドワーカーにも打ち合わせ場所が必要になる。電源やプリンターが完備されていると便利だと思うこともある。そんな場所を提供してくれるのが、このコワーキングスペースである。一種のレンタルオフィスに近い。こういったスペースが日本にも広まり出した。筆者が個人的に知っている場所が、新潟だけでなく、仙台にも開設された。
 主な使用者は、在宅勤務者や専門職従事者、起業家、フリーランス、出張が多いビジネスマンなどである。飲食店や自宅などで一人で仕事をしていると、アイデアに行き詰ったり、孤独感を感じたりすることがある。コワーキングスーペースを使用することで、周囲のアイデアをもらうことも可能になるし、もちろん孤独感から開放されることにもなる。

3. 時間の使い方で人生が変わる

 場所を選ばず、仕事ができるようになることで、生産性が上がれば、時間的な余裕が生まれる。今、多様な価値観を生かしたライフプランが提唱されているが、その実現にも近づける。本業に更に時間を割くこともできるし、プライベートの時間を充実させることにも使える。趣味の時間、子育ての時間、夫婦の時間、自己啓発の時間等々。
 生産性を向上させず、これらの時間を増やそうとするから、本業が疎かになり、会社と摩擦が起きる。今は、本人のスキル向上だけでなく、PCや携帯端末などのハード面を活用することで、十分に生産性を向上させることができる。
 時間の使い方が変わると人生が変わる。人と出会う機会が増える、人と話す時間が増える、本を読む時間が増える。健康に気を使う時間が増える(運動、睡眠など)。文化と接する時間が増える(美術館、演劇、コンサートなどへ行く時間)。人間力を高めていくために必要なことが次々に実現する。
 生産性の2倍アップを目指して時間活用を考えよう。