【第114号】チームワーク

1. お互いの仕事を知ること

 チーム力の発揮が企業の中で大きなウエイトを占めるようになってきている。個人の力では限界があり、また個々の力を集結して1+1を2以上にしていかなくてはならなくなってきている。
 チーム力が発揮できていない会社の特徴は、社員がお互いの仕事内容をよく理解していないことである。知っていて当り前だから知ろうとしない。「仕事の内容を知る」ということは、営業職であれば、営業をしていることを知っている、ということではない。どんなエリアや顧客を担当している、ということでもない。どんなことを目指していて、どんなことで悩んでいて、どんな工夫をしているのかを知っていることである。つまり、日常のコミュニケーションをしっかりと取っていないとわからないのである。

2. 助け合うということとは

 その中で、チームはお互いの足りないところ、うまくいっていないところを補っていかなくてはならない。自分のことだけを考えていてはチームの一員にはなれない(たとえ能力的に他人を構っている余裕などない場合でも)。
 足りないところを補う場合でも、うまくいっていないところを補う場合でも、「なんでこんなことができないんだ」という批判的な目で見ながら助けることはチームワークにならない。「頑張っているな、もう少しだ、手伝うよ」という気持ちが重要だ。相手を認めつつ、フォローしてあげる。お前がうまくやらないから、余計な仕事(手伝い)が発生しているんだ、なんてことでは助けられた方も気分が悪い。
 単に仕事を分担し合う、ということだけでなく、その仕事を担当し進めていく上での苦労や楽しみを共有し合うということなのである。

3. 適材適所

 仕事には向き不向きがある。なんでもこなす器用な人など限られている。仕事内容が複雑になるにつれ、すべての人にゼネラリストを求めても無理がある。まずはスペシャリストを育成していくことである。一芸に秀でて、自信をつけてから手を広げて、仕事の領域を大きくしていく方が確実である。
 その中で、仕事の分担を考えていく必要がある。やりたくない、できない、という理由で新しい仕事にチャレンジすることを躊躇う人もいるが、それは自分の成長のチャンスを自分で逃しているのである。難しい仕事、大変な仕事にチャレンジせずして、どうして部下を育てられる幹部になれるというのであろう。
 チームづくりは難しい。やる気を引き出し、チャレンジ精神を持たせ、常に新しいことに取り組み、それを助け合う。それを目指していっていただきたい。