【第110号】仕事の品質

1. 限度はない

 仕事の品質には限度がない。お客様の満足とは別のところで存在する。簡単に「完璧です」と口にする方をお見かけするが、ほとんどが「完璧」ではない。何をもって「完璧」といっているのだろうか。その判断基準が甘ければ完璧とはいえない。人間が何かを比較しようとすれば、自分の経験値か過去の事例が多いだろう。しかし、そこを基準としていると、ほとんど進歩がない。前回と同じレベルだったらOKとなってしまうからである。
 前回を越えていく、前例がないレベルで仕事をするから意味があるのである。そうなると基準は自分の想像の範囲となってくる。どこにハードルを置くかが重要なのである。
 当然、ライバルの品質向上も考慮しなければならないし、お客様の要求のレベルアップも考慮しなければならない。

2. 時間との戦い

 時間は有限であるため、時間との戦いも発生する。仕事には期限があり、それまでに終わらさなくてはならない。忙しいを言い訳に品質を落とすことはできない。目指すべき最高品質があれば、守らなくてはならない最低品質もある。少なくともその間で仕事を完了させなくてはならない。
 だから時間の効率化が求められる。集中力が求められるのである。品質は意識をしないと高まらない。細かい作業や気配りが要求され、人手間を惜しむことができないからだ。あともう少し気を配れば、というシーンに何回も遭遇してきた。ほんの少しの油断がそれまで積み上げてきた品質を台無しにしてしまう。モノづくりでの仕上げ・検品、飲食店などの食事後のサービス、ホテルなどのチェックアウト以降、物を買ってからのアフターサービスなど、“入り口”はいいのだが、という事例は多い。

3. 能力向上

 品質は自分との戦いでもある。自分を甘やかしていると品質は向上しない。もっと上手に、もっときれいに、もっと気持ちよく、と上を目指していないと実現しないからである。
「こんなもんでいいや」「このくらいでいいや」と思っているうちは、品質は上がらないし、ライバルに差をつけられてしまう。
 品質をあげるためのある意味“面倒くさい”努力をし、それを効率的に進めようと工夫するからスキルがあがるのである。楽して能力は向上しない。
 相手が優秀であればあるほど、高い品質を求めらる。だから取引先は自分たちよりレベルの高いところを選ぶべきなのだ。低いレベルで満足していても進歩はないし、逆に後退しているかもしれない。