【第109号】お酒を飲みたくなる理由

1. 現実逃避

 ビジネスマンはお酒を飲む機会も多いと思う。忘年会や新年会で続いていた方も多かったと思う。最近は、飲酒運転への厳しい目や若い人たちが飲まなくなった(もしくは、会社関係の人との飲む機会を持たなくなった)こともあり、回数自体は減ってきているのかもしれない。
 しかし、一方で、震災やあるいは景気の悪化による企業の倒産で失業してしまった人、身内を亡くした方などが、その辛い現実から逃避するために(本人はそのつもりがなくても)アルコールに依存してしまうことがある(TVや新聞で報道されていたのを見た方もいるだろう)。このパターンは結局、酔いが覚めてしまえば現実に引き戻されるので、依存が進んでしまい、心身を病んでしまうことになりかねない。

2. 精神的高揚

 お酒に酔うと気持ちよくなれる、ということで飲まれる方もいるだろう。いつもは重たい口も饒舌になり、うまく会話できない人との気軽に話せるようになるというメリットもある(一方で、口が軽くなり、話してはいけないことを口にしてしまうというデメリットもあるのだが)。
 落ち込んでいたことも、何となく解決した気分になり、吹っ切れることもある。前向きに考えられるようになることで、プラスになる効果である。
 この場合もうまくコントロールする必要がある。できもしないことを口にしてしまうこともあるし、調子に乗りすぎて人を傷つけてしまうことを言ってしまうかもしれない。

3. 筆者の場合

 筆者もお酒を飲む機会は多い。基本的には食事を美味しく食べるために飲むことが多い。ワインにしても、日本酒にしても紹興酒にしても食事といっしょに楽しむ。
 ただ、お酒も文化なので、ただ飲むだけでは面白くない。特に筆者の場合は、仙台にいたころは東北各県を、今は新潟にいるので新潟各地の日本酒を飲むようにしている。それぞれの造り酒屋の歴史や材料なども調べ、特徴を知る。それだけでも楽しみが倍になる。ワインにしても同様である。
 日常の好奇心を失わない、単に「お酒」ということで終わらすことなく、それを追及することで財産になる。ビジネスの世界もお客様に少しでも関連することに興味を示すことで、関係が深まる。
 お酒も美味しい、食事も美味しい、それで各地の歴史や文化を学べて、人間関係も深めることができる。深堀をすることでお酒も本当に“良薬”になってくれる。