【第60号】今年の備えは

1.厳しい状況が当り前

 この原稿を書いている段階で、すでに2010年が終わろうとしている。どちらかというと暗い話題が多かった年ではないだろうか。
 政府の経済政策を非難する声は大きいが、言うことは簡単で、言ってどうなるものでもない。今の経済環境の中で生きていくしかないのである。救いは、ライバルも同じ環境にいるということ。ポイントは、強いライバルを同じ土俵から排除することはできないので、自分たちが勝てる土俵に移動することである。
 11月に実施した「経営戦略セミナー」でも発信している通り、タナベ経営では来期も厳しい状況が続くと予測している。輸出組の業績も先行き不安定なものとなる可能性が高い。

2.重点集中は検討できているか

 厳しい環境を乗り切るためにも「重点集中」の方針が必要である。何が「不要」なのか。捨てるべきなのかをまず検討する。必要なものから検討すると、全部欲しくなり、捨て去るものが見えなくなる。
 捨てるべきものが決まったら、今度はどこに集中するかを検討する。スピードと徹底することが必要なときに「あれもこれも」と言っていたら何もできないで終わってしまう。
 以前にも指摘させてもらったが、中小企業の一番のネックは「人材」である。だから、“誰が”実施するのか、担当するのかを明確にする。そして、サポート体制の確認をする。だれがチェック・進捗確認をするのか、責任者はだれなのかも合わせて明確化する。
 できれば“突破口”は一言集約(いちごんしゅうやく)しておく。一言で表現できないということは、やることが絞りきれていない、本質を“煮詰め切れて”いない恐れがある。

3.継続させる工夫はあるか

 次の課題は以前にもコラムに掲載したが、「継続力」である。徹底してやり切らせないと効果は出ないし、半端な対応で乗り切れる時代ではない。
 定点観測(プロセス管理)をしっかりとやることが重要となる。そのためには、どのタイミングで行うのがよいのかを確認しておく。
 また、「小さな達成感」を社員に感じさせるために、どのレベルの目標設定と内容を最初のハードルとしておくのか、それを大きな成果・目標達成にどう繋げていくのかも検討しておくことが重要となる。
 インセンティブのチェックも必要である。人件費の増大は防がなくてはいけないし、経費増になることは慎まなくてはならない。しかし、モチベーション向上との関連も重要である。達成感の連続を生むためには、その成果にどう報いるのかも検討しておくことが必要となる。