1.“ネタ”はあちらこちらに落ちている
ここ数日、立て続けにこのコラムの連載について質問を受けたので、それに答える形でコラムを書いてみたい。
ひとつには、書く内容がダブらないですね、ということ。1年分ぐらいであれば、人の書いたものを写していない限り、覚えているものである。あとはタイムリーなものをネタに、原理原則を展開する形にすれば、内容は重ならない。
もうひとつは、良くネタが続きますね、ということ。これは、ビジネスのヒントや改善の視点にも繋がる。完璧な社会、企業、人間がいない限り、いわゆる“ネタ”はあちらこちらに落ちている。あとはそれをどう表現するか、なのである。
2.感じ取れる感性を磨く
たばこの吸殻が落ちていたとする。それを見てどう思うか。①何とも思わない、目に映らない ②こんなところに捨てて、と思う ③資源のムダだ、と思う ④拾って吸殻入れに捨てる ⑤たばこの吸殻から銘柄を想像し、吸っていた人物像まで推測する など、感じることは人それぞれなのである。しかし、どのレベルまで想いをはせるか、が重要となる。何にも感じない人から、吸っている人を想像するまでの格差は大きい。
何も感じない人は、業務における工夫も改善も苦手な人である。吸っていた人まで想像する人は、逆に新しい発想でビジネスが展開できる人である。これは訓練しだいで身に付けることができる。
3.アンテナを広げる
まずは知識を身に付ける。下の図は、その情報アンテナ(パネル型を考えていただきたい)の一例である。いろいろなジャンルの知識を身に付けることで、アンテナは大きくなる。どんなにビジネスの分野の知識を広げても、この9枚のアンテナの大きさにはならない。
<情報アンテナの一例>
●ビジネス ●文 化 ●芸 術
●歴 史 ●文 学 ●スポーツ
●音 楽 ●料 理(食べ物)●科 学
それぞれのジャンルがシナジー効果を発揮して初めて「大きいアンテナ」としての効果が現れるからである。歴史を学ぶことで、ビジネスに活かされるものもあるし、スポーツにおけるリーダーシップが部下育成に繋がることもある。
人間の器はここから作っていく。以前にも指摘したが、低迷している中堅社員にはこのアンテナを意識させ、様々なことを体験させるべきである。