1.なせ「忙しく」なるのか
見るからに「バタバタ」している人がいる。机の上も散らかっていて、“忙しそう”である。そうなのである、忙しそう、なのである。決して忙しくはない。本人は、一生懸命なのだが、かなり空回りしているから、余計な作業をすることになり、結果として多忙になってしまう。
ひとつには段取りが悪いのである。目の前の仕事から順番にこなしていくので、短時間で済む仕事が後回しになる。取り掛かってしまえば、すぐに終わるのにいつまで経っても終わらない仕事が山積みになっていく。
もうひとつには、仕事の所要時間の見積もりが正しくできない。30分で終わるのか、1時間以上かかるのか、5分で終わるのか。経験がないこともあるが、もうひとつには本当に忙しさを味わっていないので、時間の使い方がある意味「贅沢に」なっており、短時間で終わらすプレッシャーを感じていないのである。
2.忙しい人間ほと「忙しい」とは言わない
そしてそういう人間ほど、「あれはどうしてやらなかったの?」「どうしてできなかったの」と聞くと、「すみません、忙しかったもので」と答える。
しかし、本当に忙しい人間は、なんだかんだと言っても最後にはやるべきものを仕上げてくる。「できなかった」とは言わないし、ましてや「忙しかったから」などとは絶対に言わない。
「仕事は忙しい人間に頼め」と言われるように、仕事ができる人間には仕事が集中する。しかし、その人間はそれを成し遂げようと、様々な努力と工夫を重ねることで、生産性を上げ、忙しくてもちゃんと仕事を仕上げ、結果を残す。
3.仕事の能率をあげるために
人一倍働くことをためらわないことである。特に20代、30代は仕事を覚える吸収力が高い。自分で自分を忙しくするのである。
また、常に時間を意識して仕事をするクセをつけることである。そうすることで、自分の仕事の処理スピードを把握することができる。それができるようになると、自分の仕事の処理時間が正確に計算できるため、「スキマ」時間が有効に使えるようになる。以前も紹介したことだが、15分単位の仕事をいくつか作ることで、時間が効率的に使えるようになる。
つい最近も社内で、同じ仕事を「こうすれば?」とアドバイスしたとき、「忙しかったので」という返事と「そうですね、じゃあ・・・」という返事に分かれた。前向きな返事をする部下とそうでない部下、仕事のスピードも成果も違う。
皆さんはその違いに気付いているだろうか。