【第48号】若手経営者のエネルギー

1.経験と実績に裏打ちされた自信

 先日、30代の経営者たちと食事をしながら意見交換する機会があった。10名弱の参加で、会は盛況のうちに終了した。
 その時に感じたのは、参加された経営者・企業希望者のエネルギーである。まだまだ小さい規模の会社がほとんどであったが、発するエネルギーが違う。営業の話はしないようにしていたが、どうしても営業話が出る。聞かれたことに対しては、ほとんど断定形で回答する。「~です」「~だよ」がほとんどで、「~だと思います」「~かな」という回答はほとんどない。
 社長になってまだ数年ではあるが、やはり切り盛りをしている自信がそこには感じられた。
 また、参加者の数人は経営者ではない方もいたが、いずれも異業種交流などの事務局などをやっており、起業意欲は旺盛であった。地域社会を活性化することへの情熱、アイデアを豊富に持っている方々ばかりであった。

2.人の話を聞く姿勢

 参加者の共通したものとして、もうひとつに聞く姿勢がある。情報の発信もさることながら、人の話も熱心に聞く。頷き方も大きく、目は真剣。思わず話をする方も力が入る。
 少しでも勉強しよう、何かを得ようという姿勢が素晴らしい。なかなかこういう姿勢にはなれない。これは年配の経営者にはあまり見られない姿勢かもしれない。
 質問や意見をいうタイミングもお酒が入ってきても、あまり乱れない。酔うと人の話がきけなくなり、やたらと腰を折るビジネスマンもいるが、今回の会の参加者には見られなかった。
 多少、資料を配ってみんなで意見交換もしたが、メモをとる姿勢も素早かった。完全に習慣化されているな、と感じることができた。

3.経営幹部も見習おう

 これらの点は、企業の幹部陣も見習うべきである。同じ年齢層の幹部だけでなく、もっと上の層と比較しても、彼らの意欲は別格である。
 経営者だから当然、と言ってしまえばそれまでである。どうしても日常の業務に追われて、こういう異業種の若手経営者と食事をしたり意見交換をする場が、経営幹部にはなかったりする。しかし、なければ自分からそういう場を作る努力をすべきだ。それだけの価値がある場になるはずである。いかに自分たちが井の中の蛙になっているかを痛感すると思うし、そういうネットワークは自分自身の財産になる。
 金儲けだけでなく、本当に理念や理想に燃える彼らといっしょに語れたことは筆者にとってもいい刺激になった。是非、みなさんもそういう機会を作っていただきたい。