【第45号】半期ごとの総括を行う

1.年度始めの目標の達成状況

 今年は異常気象といわれる暑い日が続いた夏であったが、9月というのは、秋の入り口であるだけでなく、多くの企業で上期が終了する月でもある。つまり、年度の半分が終了するタイミングでもある。
 上期目標の達成に向けて、最後の追い込みをすることも大事であるが、しっかりとその目標の達成状況と、その分析を行うことが重要である。
 達成できてもできなくても分析は行う。なぜ達成できたのか、なぜできなかったのか。半期ごとの反省を疎かにすると、通期の目標達成はできない。もう一度、改めて自分たちの戦略を振り返るのである。
 正しい戦いをしてきたのか。戦うべき戦場だったのか。戦術は正しかったのか。戦力はどうだったのか。

2.手段はやりつくしたか

 その中で重要なのは、やるべきこと、やると決めたことが100%やれたかどうかである。社員にやる気がない施策をそのまま継続しても結果は同じである。なぜ、社員はやれなかったのか。単に「やれ」と言っても、部下が納得していないと成果はあがらない。
 多少間違った手段であっても、100%やり切ることで成果をあげることは可能である(丸っきり間違っていてはダメであるが)。だから60%の勝算があれば取り組むべきなのである。
 100%やらせる切ることは簡単ではない。目標設定の段階から部下への説得はスタートしている。ここでしっかりと納得させ、「さあ、この目標に向かってがんばるぞ」という意識にさせないとダメである。特に現在のように、なかなか業績が伸びない中での目標は自ずと厳しいものにならざるを得ない。当然、部下も「こんな環境でこんな数字、できる訳ないだろう」と思いがちである。

3.目的に立ち返る

 なぜ、その数値をやらなければならないのか。経営者の懐を肥やすためにある数字ではないはずである。金融機関への返済に始まり、社員給料や賞与、設備投資、福利厚生など様々な目的がある。それを実現していくための数値計画のはずである。
 そういうストーリーをしっかりと社員に説明できているだろうか。数値は結果である。自分たちの事業理念を追求していく結果として、お客様から支持され、それが数値結果として結実する。そのストーリーが破綻していれば、当然、いくら頑張っても結果として数値に表れない。目標も達成できない。
 中小企業に人員的な余裕がない今、戦力のムダはできない。全社員が目標を理解し、納得した上で、その達成を目指す環境を整えて欲しい。