1.情報の価値を判断できているか
情報の価値を正しく理解できている人は意外と少ない。営業日報や作業日報の扱いを見ればそのレベルが把握できる。
ポイントは記載されている内容である。営業日報や作業日報を記入する社員はじかにお客様と接する位置にいる。その社員が各種日報にお客様とのやり取りを一切記入していないことがある。確かに自分が何をしたかも大事である。しかし、記入してもらいたいのは、お客様に何を提供したのか(情報やサービス、商品など)、お客様から何を依頼されたのか、指摘されたのか(あるいはどんな感想をいただいたのかなど)ということである。
クレームの場合も同様だが、何が大事で何が大事でないかの判断は、簡単にできるものではない。ましてやその判断基準は絶対的なものでもない。よって、記入者が独自に判断することなく、常に上司のコメントをもらうようにし、組織内の基準を統一しておくことが必要になる。
2.情報の活かし方
情報は収集することが目的ではない。何かをするために情報を収集するのである。マーケティングであったり、CS向上であったり、その目的をしっかりと把握しておくことが重要である。
情報は収集している過程で、いろいろな発見があるので、プロセスに夢中になるあまり、情報がいっぱい集まった段階で満足してしまうことが多い。
ここからが本来は大変な作業となる。収集した情報を分析して、目的に沿って対策をたてていかなくてはならないからである。
有益な情報は何気ないところにある。担当者が「大したことがない」「つまらないことだ」というものが、後々に大きな価値を生むものになる可能性を含んでいたりする。
売れる営業マンとそうでない営業マン、リピートを取ってくるサービス担当者とそうでない担当者の違いはこういうところからも表れてくる。
3.情報収集のコツ
情報というものは、「発信するところ」に集まるものである。つまり、情報を発信しない会社、情報を発信しない担当者のところには、情報はなかなか集まってこないのである。
お客様から情報を得たかったら、お客様に常にその数倍の情報提供をする。社内でも同様である。他部門から情報を得ようと思ったら、常に他部門へ情報を発信していなければならない。
最初から相手が喜ぶ情報など与えられない。まず、自分がこれなら相手も“楽しく”読んでくれるだろう、受け取ってくれるだろう、という内容で十分である。こちらが発信していることを理解してくれれば、いずれ「こんな情報ないか」と問い合わせてくるようになる。まずはGIVEからである。