【第42号】幹部として活躍する人の条件

1.現時点から先行する発想で語れる

 様々な企業で活躍する人の共通項を改めて整理してみたい。まずは、現時点から未来に向かって思いを発信できることである。過去の自分の成果や実績を自慢したり、過去の優良取引先に固執したりしない、ことがポイントである。昔話が多い幹部は「古きよき時代」から脱却できていない。「不易流行」という言葉があるが、変えるべきポイントを間違わずに思い切って変えることが求められている。
 「現時点から」ですので、今の組織のあるべき姿や戦い方をしっかりと把握し、今後のビジョンを持てていないとダメである。
 戦略関連の本が本屋さんで山積みになっているが、「戦略発想」を持てていることが重要である。当然、将来を語るうえで必要になってくることである。

2.上手に人を褒める

 もうひとつの共通項としては、「上手に人を褒める」ことである。人間は感情の動物ですから、“合う”“合わない”はどうしても出てくる。でも、この“合わない”人であっても、それを表に出さず、報告を受けた第一声に「おう、おめでとう」「がんばったな」という言葉が必ず出ている。
 活躍できない幹部は部下から報告があった際、ここぞとばかり日頃の不満を返してしまう。「なんで今頃報告してくるんだ」「もっと早く報告しろ」「だからお前はだめなんだ」。このような反応をされてしまうと部下のモチベーションは下がってしまう。
 コーチングが大事だといいながら部下に対しては一切しなかったり、スケジュール管理をしっかりしろ、と部下にはいいつつ、自分のスケジュールは部下の誰も把握されていなかったりする幹部は部下から信頼されない。
 信頼関係が結べなくては幹部として活躍はできない。

3.自分都合は表に出さない

 そしてもうひとつは、「会議で怒られるのは俺なんだ」「俺が訊かれた時に困るんだ」という“自分都合”をすぐに理由にだすことである。
 上司が怒られること全てを部下のせいにされたらたまらない、と部下が感じ出したら最悪である。部下は常にお客様を向いていなくてはいけない。社内の調整役、部下を社内の圧力などから守るのは上司の役目である。
 それをせずして、“自己保身”みえみえの発言を繰り返しているようでは、部下との関係は悪化していってしまう。当然、組織に対するリーダーシップを発揮することはできない。
 これらのポイントをクリアした幹部は、いずれ役員になっていく経営幹部候補生と言えよう。