【第27号】夢や希望は持てないのか、持たないのか

1.本当に将来は真っ暗か

 将来への不安から「夢が持てない」「希望がない」という声が聞こえてくるようになった。10年前、自分のいた部門に配属された大学卒業したばかりの新入社員が「夢なんてありませんよ」と言っていたことに驚いたが、今は驚かなくなってきた。
 しかし本当に将来に明るさはないのだろうか。景気が浮上しなくなって数年たつ。その間にも原油の高騰やリーマンショックなどもあり、採用の減やリストラなどによる失職という暗いニュースが多い。頑張ってもその流れに巻き込まれた方々も多い。離職した人の中には、そういう離職したくないのに離職させられた人もいるが、引き止められながら離職している人もいる。一方で、IT関連や介護、人材育成を中心に起業して自分の夢をかなえている人もいる。

2.何でも与えられ症候群

 夢や希望が持てない人の話を聞いていると、何だか夢や希望まで「人から与えられるもの」と考えているのでは、と感じてしまうことがある。自分が何をしたいのか、を真剣に考えている様子が見られないのである。以前も指摘したことがあるが「自分ができることは何か」に縛られてしまっている。
 自分が実現していきたいもの、というのは確かに現実を見ると「やはり無理かな」とか「夢はしょせん夢」という思いになるものである。子どものころ、純粋に「○○になりたい」と思っていたことも自分の「能力」の限界であきらめてしまう。
 「能力」はある意味無限である。伸びないと自分が思わない限り、少しずつは成長していく。つまり夢を断念した時点から、本当は夢に近づいていることもあるのである。

3.持つことは「意思」である

 「失敗はあきらめることである」と言われるように、絶対に実現させてやるという思いが「実現力」に結びつく。夢や希望とはそういう目標となるものである。そして、そういう「意思」を継続して持ち続けることに繋がるものである。
 夢は決して1つではない。大きな夢、小さな夢がある。大事なのは、持ち続けることと想い続けることである。なぜ先人たちは「継続は力なり」と言ったのか。そこには不変の真理があるからである。
 だから人の夢を笑うことはできない。そんなこと実現しないよ、と。これまで実現不可能といわれたことが何度、実現されてきたことか。
 皆さんには夢や希望はあるでしょうか。