1.元気な朝礼の解釈
朝礼が有名な企業はいくつかあるが、特に外食産業の朝礼が注目されている。それは、好調な業績を支える朝礼に興味があるからではないか。有名な企業に共通しているのは、そのテンションの高さである。大声を張り上げての発表や唱和、連呼。傍から見ていると驚くを通り越して怖いぐらいである。
しかし、これらの朝礼を実施している企業のお店に入って、その通りの挨拶をされて気分を害する客がいるだろうか。「元気がいいな」「明るいな」と感じるのではないだろうか。
確かに、これからのやり方が全ての企業に当てはまるとも言えないし、理想の朝礼でもないかもしれない。しかし、なぜこういう朝礼の姿があるのだろうか。
2.自分たちを振り返ってみるとどうか
これらの朝礼で重要なのは、まず、参加者全員が「真剣」になっていることである。「さあ、やるぞ」という気分に参加者全員でなる。目的の「共有」も図れている。そして、なによりも重要なのは、全員が手を抜いていないことである。
様々な企業の朝礼に参加する機会があるが、参加者全員がしっかりと口を開けて挨拶をしていることは少ない。せめて、挨拶をされた人が気持ちよくなるだけの声と表情では挨拶をしてもらいたい。前述した企業の朝礼を「気持ち悪い」と批判している人たちはできているのだろうか。私は、やっていないより、やり過ぎている企業を評価する。人間は、人前で訓練していたものの100%も発揮できないものである。朝礼で気持ち悪いぐらい大げさにやって丁度良くなる。
3.朝礼の目的
朝礼は、情報の共有化だけが目的ではない。部下の教育の場でもある。挨拶訓練を行わなくても、前日の行動結果へのアドバイスや当日の行動予定へのアドバイスを通じて、人材育成を行うことができる。
また、優先順位の確認を行うこともできる。チームの構成員が復数名いれば、価値観の違いから優先順位の取り違えも発生する。これを修正していくことが可能となる。
もちろん、挨拶などの基本動作の訓練の場にもなる。ハキハキと発言しているか、周りの人間にわかるように簡潔にまとめているか、などがチェックできる。
4.ケジメをつけて明るくスタート
日々、仕事をしていれば楽しいことも辛いこともある。それでも「さあ、今日1日がんばるぞ」という気持ちにするのが朝礼である。上司も説教や暗い話からスタートする必要はない。失敗やミスを踏まえて、明るく元気にスタートできるように朝礼を実施する。手抜きやダラダラは許さない姿勢が必要である。