【第24号】キャリアプランを考えてみる

1.転職が万能の選択肢か

 就職活動について時期の問題や、内容(手法)の問題などいろいろな意見が出ている。自分自身が転職しているし、周りにも転職した人が大勢いる中で、転職に成功している人とそうでない人の違いを考えてみたい。また、その視点から、キャリアプランをどう組み立てていくか整理していきたいと思う。
 自分自身の就職や転職などから、一番大事なのは、「自分には何ができるのか」ということと「何をしたいのか」ということをバランスよく整理することである。この1点目の「自分には何ができるのか」についてあまり深く考えていない人が多い。「これをやりたい」とか「これに向いている」などから入り過ぎている。私も部門別ではセールス実績のトップをとったことがあるが、その時自分が営業に向いているとは思ったことはないし、はっきりとトップになってやるという意識もなかった。

2.今の会社で何を成すのか

 転職を考えるにしろ、今の会社にずっとお世話になるにしろ、まずは「今の会社で何を成すのか」ということが重要である。2~3年単位で転職する人間に足りなくなるのはこの部分である。少なくとも5年はいないと業界のこと、会社のこと含めて“極めた”ことにはならない。“かじった”程度では、その経験を次に生かせない。
 いろいろな社員に会う機会があるが、「この会社でトップになってやろう」あるいは「この業界で有名になってやろう」という意欲を持って取り組んでいる人が少ない。それぐらいのことを実現していかなくては、同じ会社であろうと、違う会社であろうと、次のステージに進めるわけがない。

3.節目を作る

 自分の成長は、少なくとも5年単位で考える。要するに5年ごとにひとつの成果を残していく考え方である。「5年でこういう資格を取る」「5年で業界№1になる」「5年で新商品開発を成功させる」など、目標とすべき成果はいろいろある。そうすることで、今何をすべきかが明確になってくるし、そのステップアップが自分でも確認できるようになる。
 自分自身は「5年で会社のキーマンになる」「5年で業界で名の通った営業マンになる」「5年でコンサルタントとして一人立ち」などと目標を掲げてきた。達成できたかどうかの判断は別として、成長の過程を振り返るいい材料にはなった。
 今の20代の若い社員には、手本になる先輩が身近にいないケースが多い。自分を成長させるには、自ら目標を設定するしかない。新年度という節目に取り組んでみることをお勧めする。