【第20号】新入社員時代の大事さ

1.1年目の重要さ

 今年も新入社員を迎える時期になった。「人材の時代」になっても、若手社員の育成で悩む企業は多い。しかし、自分の経験からも、1年目の遅れを2年目・3年目で取り戻すのは並大抵のことではない。
 ひとつには、若さである。1歳でも若い方が、気力・体力とも高い。自分のモチベーションと周囲の期待を一致させられれば、最高の環境となる。また、その充実した体力を粘りに変えられる。
 1年目で加速できれば、入社3年目までに大きな差が発生する。加速度的に成長するために、2年目からがんばっても1年目で発生した差は埋められないのである。

2.クリーンな気持ちで

 では、どうすれば加速度的成長の波に乗れるのか。一番重要なのは、スポンジのように吸収する姿勢である。自分が配属されたセクションの業務内容だけでなく、会社全体で何が行われているのか、を幅広く知ろうとすること。自分のことで手一杯などと、自分で「壁」を作ってしまってはいけない。
 先入観や固定観念を持って、先輩や上司の話を聞いてはいけない。「自分にはできる」「自分は知るべきだ」という前向きの気持ちを持って、吸収していってもらいたい。

3.結果より姿勢

 会社は、新入社員に何を求めているのか。この厳しい時代に、社会に入ってきたばかりの新入社員に実績を求めているわけではない。その会社に相応しい社員になるための「姿勢」の確立を求めているのである。
 つまり、成功や失敗はあくまでも結果であって、その課題や仕事に取り組む「姿勢」を見ているのである。本当に与えられたことを一生懸命にやっているか、言われた通りに正確に進めているか、ビジネスの基本(途中報告、不明点の確認、優先順位の決定など)を守っているか、をチェックしているのである。
 確かに失敗したら、カッコ悪いかもしれない。しかし、先輩やお客様からみて一番カッコ悪いの「若者らしく明るく仕事に一生懸命に打ち込めず、失敗を恐れるあまり、チャレンジする姿勢がない」ことである。

4.受け入れ側のポイント

 うまく受け入れ、しっかりと教育していくためには、現場の教育担当者を決めることである。そして、1ヶ月単位でカリキュラムの進捗を本人と教育係、人事担当者でチェックしていくこと。また、2年目や3年目の社員との接点を作ってあげることである。拠点展開している企業は、なかなか1つ・2つ上の先輩の話を聞く機会がない。どうやって新入社員時代を乗り切ったのか、生きたアドバイスをしてもらうことも重要である。