【第14号】情報伝達のスピードと質はどこまで進むのか

1.既存メディアの位置づけ

活字離れについては、以前のコラムでも触れたが、テレビ局や新聞社の業績の低迷を見ると、人々が情報を入手する手段の構造自体が大きく変化しつつあるように感じる。
モバイル端末の進歩や情報発信に関する意識の変化(日本語で書かれているブログの数は2007年時点で全体の3割を超えていたと言われている)、そういったものが若い人を中心にコミュニケーションのあり方を変えてきている。

2.新しいメディアの進歩

個人的なことで恐縮だが、実は今年に入りTwitterを始めてみた。ブログもSNSもやっていない状態で無謀なチャレンジだったのだが、始めてみるとこれが驚きの連続であった。まず、その情報伝達のスピードである。各界の著名人が始めているので、ご存知の方もおられると思うが、講演や記者会見の生中継だったり(発信されている内容は、その場にいる方々が要約して入力されている)、その感想が発信されている。
また、様々な職業の方が参加されており(政治家、評論家、芸人、作家、歌手、経営者など)、情報発信もほぼ1日中続いている。もちろん、国内だけでなく、海外からも発信されている。
これらは、聞いているだけではわからない。自分が体験して始めてどんなものかわかるし、その可能性も感じることができる。PCだけでなく、こういった一種のコミュニケーションツールを使いこなす、こなさないで大きく情報の質や量が変わってくる。メディア(朝日新聞、毎日新聞など)だけでなく、一般の企業(ユニクロ、加ト吉など)も活用し始めている。

3.情報ネットワーク

会ったことがない人と気軽につながっていく。こちらの問いかけに反応してくれる。これはITコミュニケーションの特徴である。リアルコミュニケーションではなかなか機会もなければ、勇気も持てない。異業種交流の場に出かけていって、名刺交換しても次のステップにはなかなか進まないが、ブログのアドレスやTwitterのアカウント交換の方が気軽に活用できるのではないか。情報収集のあり方、コミュニケーションの取り方がIT技術の進歩で大きく変わってきている。

4.デジタルデバイド(障壁)を乗り越える

日本でもツイッターはキャズムを超えたと言われている。参加者は300万人に迫っており(既に超えた可能性もあり)、世界のユーザー数も約6000万人となっている。
様々な新商品のついても口コミが参加されている人々から発信されており、その影響も無視できなくなってきている。個人としての企業としても、指を加えて見ていて、あれは「特殊な人々が使うもの」とする時代は終わりつつあるような気がする。