【第202号】夢ってなんだろう

1.夢を持つ人と持たない人

 先日、自分の置かれた逆境にもめげず夢を実現した女性の話を聴く機会があったので、紹介したい。彼女は、本当にどこにでもいるタイプの女性である。居酒屋を経営する両親の元で育った一人娘。将来は自分のお店を持ちたいという「夢」を持っていた。しかし、大きな壁にぶち当たる。両親が相次いで病に倒れ、お店を閉めなくてはならなくなった上、自分の夢のための開店のための資金を使って、家族が住む場所を確保しなければいけなかった。将来への絶望感に押しつぶされそうになったとき、奇跡的な出会いと周囲のサポートで、何とか自分のお店(喫茶店)を開業することができた。どんな時も夢を持ち続けたその結果の出来事である。

2.周囲を巻き込めるか

 今回の話で強烈に印象に残ったのは、夢を持ち続けることもそうだが、支えてくれる人たちとの出会いや友人たちの献身的なサポートだった。この方は、喫茶店オープン後、今度は自分自身が病魔に襲われることになる。その際も、友人たちの本当に感動させられる暖かいサポートで、お店をあきらめることなく、また病気の苦しみにも負けることなく、退院し、仕事に復帰している。
 「一生懸命に生きている」、それを体現している彼女に、その話しに励まされる形で、みんなが寄り添い、そして助け合っている。オープンした喫茶店はバリアフリーの喫茶店で、地域のコミュニティになっているだけでなく、障害者が楽しめる場、健常者と障害者が触れ合う場にもなっている。彼女と同じような思いを持っている人たちが集い、同じように情報発信する、ハブ機能を持った場所となっている。

3.実現力

 実現力の高い人は、やはり行動力がある人だとも感じた。思い立ったら、やらずにはいられない。出来るか、出来ないか、ではないのである。やるか、やらないか、なのである。喫茶店を始めるにも、居抜きではあったが、物件が見つかってから、融資の話しをしている。バリアフリーの建築物や設備の構造の勉強を始めている。それでも、実行したから、話しが進み、実現したのである。
 人は「一人では何も出来ない、一人でなければ何も始められない」のである。一歩を踏み出さなくては、何事も始まらない。
 どうせやってもムダだろう、と思うことは多い。でも、成功する人は、そう思っても「やるしかない」といって実行する人なのである。
 みなさんは、一歩を踏み出せる人だろうか。踏み出す努力をしているだろうか。簡単なことからでいい。一歩を踏み出してもらいたい。