1. 仕事
「仕事の報酬は仕事である」というのは、ソニー創業者の井深大氏が良く口にした言葉らしいが、最近はあまり聞かなくなった。やはり額に汗してひたすら働く古い時代の社会人のイメージなのかもしれない。しかし、この言葉が意味するところは今も残っていることは確かである。仕事ができる人には仕事が集中するし、仕事の経験を重ねていくことで、仕事の応力が高まり、さらに多くの仕事ができるようになっていく。そして、それが成果につながっていくのである。
生産性が高まっていく過程には、この現象が当てはまる。仕事ができる人は、このプロセスを経て、短時間に高品質の仕事ができるようになってきたのである。自分に仕事が集中してきたときに、すぐにギブアップしてしまう人や拒絶してしまう人がプロフェッショナルになれない理由はここにある。
2. お金
そのものズバリであるが、わかりやすい反面、正しく理解できていない場合も多い。社員のキャリア研修を実施する際、現在の自分の価値を年収換算すると、という質問を投げかけることがあるが、ほとんどが現在の給与の額をあげてくる。しかし、その額で満足しているか、というと満足度は決して高くない。自分の現在の仕事に見合う給料の額を把握していないからである。
これを把握するためには、自分には幾らの経費がかかっていて(給料だけでなく、福利厚生費や教育費、通勤費などを含む)、どのくらい会社利益に貢献しているのか、がわかっていないとできない。この情報をしっかりとつかんで、自分の得ている給料が高いのか、安いのか、見合っているのかを判断できているだろうか。
3. 信頼
筆者は、この「信頼」が報酬として一番大きいのはでないか、と思っている。クレジットカードのCMで「priceless」というのがあったが、これは金銭という尺度で測れない。仕事を一生懸命やることの報酬が、同僚の信頼やお客様からの信頼につながる。これほどうれしいことはない。
仕事の質を高めること、仕事の量を増やしていくこと、が信頼の質や量につながっていく。信頼は得るのに時間がかかる一方、失うのは容易い。しかし、仕事に一生懸命に取り組んでいれば、信頼回復のアドバンテージは大きい。
様々なトラブルで自信を失った時や人間関係など悩んでいる時も、お客様からの支持や信頼で、立ち直ることが多い。
仕事の報酬は、色々な形で自分たちにフィードバックされている。これをどう受け止めて、その報酬を実感するかは皆さん次第である。