【第178号】若手育成のポイント

1. 取り組み姿勢

 若手を育てていく上で、まずは日常業務の質や処理できる量でその進歩などを確認することはできる。しかし、その前にその社員の成長の前提となる態度・姿勢でのチェックポイントを押さえておく必要がある。
 ひとつは「取り組み姿勢」である。本人は「一生懸命やっています」と言うだろう。しかし、本当かどうか、態度や姿勢に現れる。まずは、朝の出勤状況である。時間ぎりぎりの一番最後に出勤しているようではダメである。待ち合わせ時間への対応も同様。例え時間前であっても、上司やお客様を待たすようでは失格。挨拶の声が小さい、顔に笑顔がない、身だしなみがだらしない、などもチェックポイントとなる。「前向きに、一生懸命に、ひたむきに」が必要な態度・姿勢である。

2. 自己啓発

 自己啓発についても、チェックポイントはある。まずは、情報収集意欲である。ビジネス書を読んだり、情報誌を読むということだけなく、先輩たちやお客様から、あるいは事務所の中にある資料などから、どうしたら自分が必要としている情報を収集できるのか。貪欲であれば、身の回りにあるものの中から、必要なものを見つけることができる。
 また、時間管理も大事になる。自己啓発の時間は、仕事の生産性が低く、また覚えなければならないことが多い若手社員にとっては捻出が難しいものである。
 スキマ時間をどのように生かすか。あるいは、スキマ時間をいかに作りだすか、である。ある会社の若手中堅クラスの研修を1年にわたって実施したが、その参加者にカリキュラムの中でためになったものは何ですか、と訊いたところ、時間管理についてのテーマが参考になったという感想が多かった。

3. 業務プロセス

 仕事の段取りも重要となる。例えば、同行営業を行うときの準備物。必要なものがしっかりと揃っているか。お客様のところへ行く道順がしっかりと頭に入っているか。不測の事態が起こったときに対処できるようになっているか。到着が予定時間より遅くなってしまった場合、早くついてしまった時の対応はどうか。
 同行前に打ち合わせた通りの商談ができているか、お客様が予想しなかった反応を示した時のフォローはどうか、いっしょにいる自分へのシグナルは送れているか。
 同行後の日報へのコメントは適切か、そして自分のコメントに対してどういう改善策を打っているか。
 頭の整理ができていない、仕事の中身が整理できていないと、段取りもぐちゃぐちゃになっていることが多い。