【第177号】営業の基本

1. 売れない言い訳

 現在、タナベ経営新潟支社では、7月から始まる営業リーダー向けのセミナーをお客様にご案内しているところだが、その案内をしている席で耳にすることの多い問題点・課題点を整理したい。
 まずは、営業マンが売れない言い訳をすることである。確かにアベノミクスということで、一部期待感先行の形で景気のいい話も聞くが、消費者の財布の紐は相変わらず固いし、警戒感も強い。価格競争の激しさも変わらない中、売上が伸びない、利益率が向上しない言い訳は幾らでも思いつく状況である。
 しかし、それを許してはいけない。ライバルも同じ環境で戦っているのだ。また、そういう環境でも売っている営業マンはいる。売れているライバル、同僚は何が違うのか、どんなやり方をしていうのかということを知ることが必要である。

2. 価値を認めさせる

 お客様との関係で一番重要なのは、「価値を認めてもらう」ことである。価格勝負になってしまうと、どんなに頑張っても体力のある会社にはかなわなくなる。地域密着の機動力が大事な地方の中小・中堅企業が勝っていくためには、なぜわが社から買う必要があるのか、という価値がポイントとなる。
 価格以外の価値でお客様から認められているわが社の強みは何なのか。それを営業各担当者がしっかりと把握できているのか。営業マネージャーはそこがマネジメントの重要な点だと理解しているだろうか。
 価格を下げて安く売るだけなら、どんな営業マンでもできることである。お客様に価格以外の価値を認めてもらい、わが社の利益を確保することが重要である。

3. 大事なモチベーション

 「価値を認めさせる」という行為は、生易しいものではない。営業マンは外に出たら常に臨戦態勢でなければならないのである。私生活で悩みを抱えていても、上司と喧嘩をしても、お客様と向き合ったら真剣勝負で、「価値を認めさせる」行為に没頭しなければならない。
 そのためには、営業マンのモチベーションというのは重要な項目となる。上司は、営業マンを外に送り出すとき、モチベーションを下げるようなことをしてはいけないのである。朝一番で営業に行かなければならない時に、前日のミスを厳しく叱責したり、具合が悪そうな担当者の尻をたたいて無理やり営業に行かせたりしては、結局はお客様の評価を悪くして、業績を落とすことになる。
 いかにお前線で、客様と戦う担当者のやる気を維持していくかが重要なのである。新潟で開催のセミナーではそこをしっかりと理解してもらう予定である。