【第169号】うまくいかない時は

1. 誰にでも逃れられない逆境はある

 どんな人でもうまくいかない時はある。一生懸命にやっていても、空回りしているように結果が出ない。うまく行くのかと思っていても、何故か一歩手前で事態が進まなくなったり、予想とは違う方向へ進んでいってしまう。本当に徒労感に襲われてしまう。
 むしゃくしゃすることもあるだろう。投げ出してしまいたくなることもあるだろう。しかし、仕事であるだけに逃げられない。立ち向かい、解決していかなくてはならない。その時は何ともならない、対処のしようがない、と思っても処理すべき時期はやってくる。
 そういう時、先送りすることは避けたい。事態が悪化するだけで、好転することはほとんどない。勇気を出してその問題に取り掛かることである。そしてひとつひとつ丁寧に解決に結びつかせることが重要となる。

2. 人に話すだけでかなり楽になれる

 その中で、気分が乗らない、気が進まないといい対策が打てず、解決に結びつくことができなくなってしまう。
 どうすれば「前に進む力」を得ることができるだろうか。筆者は、悩みの種類に応じて、話し相手を変えながら、相談することにしている。相談相手から答えが見つからなくても、自分の思いを吐露するだけで、少し気分が晴れる。話しながら、もう一度、ことの次第を整理し、問題点はどこにあったのかを振り返り、解決の方向性はどうなのかの見当をつけることができる。
 もちろん、相談相手から適切なアドバイスをもらい、解決に結びつけることに越したことはない。だから、普段からいろいろな分野の方との交流を持っていることが必要なのである。

3. 前を向くということ

 「覆水盆に返らず」ということわざの通り、いったん起こってしまったものは元に戻らない。「ああすれば良かった」「こうすれば良かった」なんて後悔したところで、時計の針は逆回しにはならないのである。
 であれば、この経験をどのように生かすか、どうしたら次は同じ失敗をしないのか。それが重要となる。辛い経験を「辛い」だけで終わらせない。言ってみれば「ただでは起きない」気持ちである。少しでも、気分を楽にして、「起きたことは仕方ない」という割り切りも必要になる。
 こんな困難、解決できるのか、と思ったことも前を向くと解決できそうな雰囲気になってくるから不思議である。新しい生活に入った方も多いと思う。困難に直面することを恐れずにチャレンジして欲しい。必ず解決策は見つかるものである。