【第168号】年度の区切り

1. 今年の3ヶ月を振り返る

 今年が始まって早くも3ヶ月が過ぎようとしている。一四半期相当の期間である。3月決算の会社では、年度の終わりでもある。どのような3ヶ月であっただろうか。
 新年の抱負は覚えているだろうか。1月が終わると同時に忘れてしまっていることも多い。あるいは、早々にあきらめてしまっていたり、簡単に達成してしまっていたりすることもある。
 また、昨年の4月に目標とした年度の取り組みもある。1年の総括が必要なタイミングである。達成感を感じているだろうか。個人ごと組織単位、そして会社の目標の達成状況はどうだったか。不景気のせいにして「負け」の分析を疎かにしてはいないだろうか。ここにきて、一部は景気のいい話も出てきているが、実態経済の動きは鈍い。これまでの反省をしっかりとして次の手に生かしていく必要がある。

2. どのように終わるか

 最後の最後で、どのように終わるべきか。負け続けた形で終わるのか、最後は意地を見せるのか。勝ち続けた中で、有終の美を飾るのか。どちらにしても、最後に負けた形(赤字、目標未達)で終わるのと、勝った形(黒字、目標達成)で終わるのとは全然違う。
 終わりに見せる執念や努力が次に生きていくる。そういう意味で、終わり方が重要なのである。
 それは、関係者にどのように達成感を味わってもらうかにも関わってくる。達成感や充実感を感じられない状況でモチベーションを維持していくのは難しいし、人間的な成長を図っていくのも難しい。最後の最後まで粘って、精一杯努力する。すると例え、未達に終わっても充実感が違う。また、反省の中身も濃くなってくる。「これだけやってだめなら」と前を向くこともできる。

3. どのように始まるか

 いい形で終わることが、いいスタートにつながる。そのためには、スタートの「けじめ」が重要となる。だらだらと前期、前月の後始末に時間を取られていて、スタートを切ったのは月も半ばを過ぎたところ、ではいけない。
 期の初めや月の初めは、しっかりと節目の日(3月末が決算日なら、4月1日)から、きっちりとスタートが切れないとダメである。形だけはスタートで、決算業務や新年度の目標作成などに終われ(あるいは、決算までの追い込みで脱力してしまい、ダラダラと時間が過ぎていくパターンもある)、気分が入れ替わるのがGWの直前では、年度目標を11ヶ月で戦うことになってしまう。
 目には見えないが、時間のけじめ・区切りは大事にすべきことである。