【第164号】習慣化することの難しさ

1. 時間活用

 時間の活用は何度トライしても難しい。それは「習慣化」されていないからである。人間のリズムは簡単には変えられない。朝起きる時間、朝出かけるのにかかる時間、当然通勤にかかる時間も変えられない(車→電車、電車→自転車、など交通手段を変えれば別である)。非効率な習慣を、効率化された習慣に変えることなのである。
 一番大きな理由は、時間は、一人だけで決まることではないからである。アポイント、打ち合わせ、など相手の時間に拘束される。だからこそ、意識して変えていかなければならない。そのために、何度もコラムで指摘しているように形を変えていく必要がある。
 それは次の「ビジネスツールの活用」次第である。

2. ビジネスツールの活用

 ビジネスツールを活用することで、「意識を変えること」につながる「行動を変えること」につながる。手帳の活用で、行動の見える化が図れる。どれだけ効率的にアポイントを取れているか、打ち合わせを行っているか、が掴める。また、プロジェクトやチームで仕事をする場合の進捗も把握することができる。
 もうひとつ手帳で重要なのは、必要な情報をストックしていくことができることである。以前にも紹介したが、筆者は「クライアント先」「アイデアノート」「情報ストック手帳」「なんでもメモ」の4つを使い分けている。また、読みたい本、購入すべき本や調べものなどは、スマートフォンのメモを活用している。
 これらを活用していく際に重要なのは、「思い立ったら即」である。それを簡単にできるツールにしていく。いつでもメモができる環境を整える、いつでも講演などで使用できるようにしておく、などである。

3. 人間関係への配慮

 最後に重要なのは、周囲の協力である。人の意思は弱い。どうしてもくじけてしまう。その中で、身近な人のサポートがあると、習慣化していきやすい。「あれはどうなった?」「続いているね」などと声をかけられていると、逃げられなくなり(苦笑)、継続率が高くなる。それが習慣化につながりやすい。また、時間活用などは継続率が高まるほど、当然ながら効果も高まる。ムダが減り、生産性が向上するからだ。効果が出始めると、継続のモチベーションも高まる。これが「善循環」である。
 周囲の人間との関係も、良好を維持するためには、その姿勢を継続していくことが需要になる。「笑顔でいる」「丁寧な言葉を使う」「尊敬する」などは、一時的なものでは効果がない。これも“習慣化”することで、そういう姿勢が当然になるから不思議である。