【第162号】未来を向いているか

1. 過去の出来事に囚われるな

 数日前に、ある方の話で、桃太郎(昔話し)のある解釈を聞く機会があった。おばあさんが、桃(長年の夢)を見つけられたのは、川上(未来)を向いていたからだ、というもの。この解釈には、新鮮さを感じたし、なるほどと思った。
 人間、どうしても過去に起こったこと、特に嫌な思い出や辛い思い出に引きずられる。「何でできなかったのだろう」「何であんなことしたんだろう」と、後悔することも多い。しかし、これをいつまでも続けても何の解決にもならない。過去を振り返っても、起こったことは変えられないし、そのままでいれば未来に変化も起こらない。
 この先どうしていくのか、何に取り組んでいかなければならないのか、が重要なのである。タナベ経営がよく提唱している「先行経営」も同じことである。大切なのは、これからの行動なのである。

2. 行動は変えられる

 未来の行動は当然、変えることができる。変えると思うか、思わないかである。朝、早く起きるか、起きないか、自分の意思である。他人から強制されることではない。
 問題なのは、起こした行動が習慣化するか、どうか、である。継続していかなくてはならないものは、習慣化していかなくてはいけない。しかし、習慣化にこだわる必要はない。まずは、「行動を変える」ことがポイントである。
 健康のためにする運動の習慣や、朝の活用のための早起き。家族との時間を作るための工夫。自己啓発の時間の確保など、簡単でも変えていく必要のあるものは多くある。やろうと思っていてもできない、のではなく、まずやってみるのである。

3. 結果はついてくるもの

 行動を変えれば、結果は付いてくるものである。しかし、普段の行動を変えることはなかなかできない。今やっていることを続けていくことの方が楽だからである。
 変化を生んでいくという、負荷をかけていくことが必要なのである。行動を変えて、いずれそれが習慣化すれば、辛くなくなる。その段階になれば、当然、結果はついてきている。
 やってもムダ、変えてもムダ、と思っている間はできないものである。なぜ、多くの人が同じようなことを言い続けるのか。それは、行動を変えることにより、結果を出してきているからである。
 継続の辛さはどれも同じ。これは以前、紹介したように、「有言実行」スタイルが有効。家族、友人、同僚に宣言してしまうのである。逃げられない状況を作ることは重要である。