【第102号】企業の体質を変えていく

1. 一人だって難しい

 何かを変えていくことは全てにおいて難しい。組織の活性化がテーマになることが多いが、それは社員ひとりひとりが変わっていく必要がある。しかし、一人の人間の考え方や態度・姿勢を変えていくことは難しい。外部の力では変えられないからだ。変えるためのヒントを与えることはできる。しかし、変わるためには、“本人が自ら”変わろうと努力しなければならない。しかもその努力が実るとは限らない。それが「変化」というものなのである。
 自分自身を振りかえってみることである。そろそろ、この1年の総括をしなければならない時期になるが、正月に立てた目標はどうなっているだろうか。達成できそうなのか、すっかり忘れてしまっているのか。変化していない、目標が達成できそうにない方がほとんどではないだろうか。自分を変えることも難しい。

2. 集団だからできること

 人間は環境の動物である。よって、ひとりひとりではできないことも、集団なら可能となる場合もある。変化もそのひとつである。組織の中のインフルエンサー(周囲に対して影響力を持つ人間)に働きかけ、その人物を変えることで、組織の考え方・体質を変えていくことができる。これは集団だからできることである。
 ただし、「悪貨は良貨を駆逐する」の諺があるとおり、油断をすると悪い方へ変化してしまうのも組織である。無気力・無関心の広がりから組織が不活性化してしまう。無責任体質が浸透してしまうと、指示待ちの無気力の風土になってしまう。
 どのように良い影響を浸透させていくか。これは変えていく動きを少人数に任せないことである。一人のリーダーに任せない。できれば、階層ごとに組織をカバーするようする、
若手・中堅・ベテランにそれぞれ、自分たちの考え方・やり方でひとつのものごとを達成しようと働きかける。

3. いかに継続していくか

 組織体質を変えていくのは、息の長い取り組みになる。すぐに変わるものではない。変わらないからとあきらめてしまっていないだろうか。組織のリーダーが影響力を発揮できる能力を持ち、影響力を発揮できる環境であることも大事である。中間管理職の能力不足を一般社員がいる前で嘆く幹部社員がいる。こんな環境で、中間管理職がリーダーシップを発揮することはできない。
 能力がしっかりと発揮できる環境をいかに整えるか。そして継続させるようにサポートする仕組みはあるのか。全社で取り組むことが早道である。