【第93号】わくわくの効用

1. 楽しみ付随のスケジュール

 「この仕事が終わったら、楽しい飲み会だ」とか「今日で仕事が一段落だから、久しぶりにスポーツジムへ行くぞ」など、ハードな仕事のスケジュールも、そのあとの“ご褒美”があると、集中力を切らすことなく終わらすことができる。これを活用しない手はない。筆者は、家族との食事や同僚との飲み会、溜まってしまったDVDの鑑賞などを定期的にスケジュールに挟み込むことで、密かな「わくわく」を演出している。
 これを個人的なスケジュール管理だけにしておくと、気分転換できる人とそうでない人でモチベーションに差が生まれてしまう。組織として機能させることが望ましい。
 会社の締め切りに合わせて、会社行事を設定する。営業所会議のあとの懇親会。四半期単位のリクレーション。半年単位の決起大会を兼ねた食事会。1年に1回の社員旅行兼、方針策定合宿など。会社行事といっしょにすることで、参加率も高まるし、気分転換にもなる。

2. 興味を持たせるツール

 日常使用するビジネスツールにも工夫が必要である。筆者などは、筆記用具やカバンに凝るほうなので、新しいカバンで出勤するときや、新しいペンでメモを取るときには、かなり気分的に盛り上がる。
 当然、スケジュールを管理する手帳にも工夫があるとよい。殺風景な手帳よりも、カラーペンで色分けされていたり、付箋紙が活用されていた方が、見やすい・整理しやすいというだけでなく、そこに「わくわく感」がある。「さあ、この黄色の付箋紙は今日中にやっつけるぞ」「この青の付箋紙が今週、自分がやらなくてはならない仕事だな」などと前を向いて仕事を進められる。
 最近、書籍などが出てまた注目されているモレスキンのノート(愛用して6年ぐらいになる)も、いろいろと工夫ができるノートで手放せなくなっている。

3. みんなで楽しく

 仕事は常に順風満帆ではない。逆境の時もある(の方が多いくらい?)。しかし、一人で仕事をしている人は少ない。独立していても、なんらかの形でパートナーはいる。その人たちと「わくわく」を共有していく。
 仕事が予定通り進んでいなくても、うまく結果が残せていなくても、組織の雰囲気が悪くなければ、いつかは立ち直る。逆に、結果が残せていても、組織の雰囲気が悪ければすぐに結果が出なくなる。
 組織の中で、「わくわく」を共有することが、組織の活性化にもつながる。いかに前向き思考を作り出すか、それはリーダーの工夫しだいである。