【第91号】チャンスを生かして飛躍する

1. 何度もチャンスがあると思うな

 様々な会社の若手社員と会ったり(会うといっても面接に近いかもしれないが)、プロジェクトなどでいっしょに仕事をする機会がある。その時に感じることは、その取り組み姿勢の甘さである。確かに「ここで失敗しても次、頑張ればいい」という一種の開き直りは大事な部分でもある。失敗したらどうしよう、とガチガチになっていては、自分の能力の半分も発揮できないかもしれない。
 しかし、仕事のチャンスは何度も与えられるものではない。人材に限りがある中小企業においても、同じミスを何度も繰り返す社員には仕事を任せられない。同じミスは2回が限度である。しかもルーティンワーク以外のプロジェクト業務であればミスをしなくても、チャンスが巡ってこなくなるかもしれない。少ないチャンスを生かす必要がある。

2. もっと貪欲になれ

 少ないチャンスを如何にモノにするか。そのためには、まず「このチャンスに賭ける」という強い意志が必要である。何がなんでも結果を残す、という気構えで取り組まなければ成功しない。
 若手社員にとって、会社に入って数年間は新しい仕事との取っ組み合いのような状態といってもいい。初めて聞くこと、初めて目にすることが次々に訪れる。日々、勉強しないと遅れてしまう。消化不良を起こしてしまうのも無理はないかもしれない。
 ただ、それは客観的に見ていると、最後のひと踏ん張りが足りないからに思える。あとひと工夫あれば、あともう一歩続けていれば、と感じることが多々ある。最後まで、粘り強く、あきらめないことである。そして、必死に先輩や上司に食らい付いていくことである。

3. 会う人皆師である

 目の前にいる人から何を学ぶのかは、その人の姿勢次第である。先輩、上司、同僚、取引先、何れも、自らを成長させてくれる「師」である。
 自らを“スポンジ”のようにして、何でもかんでも吸収してしまう姿勢。それが、若手社員には求められる。「仕事の質は量で決まる」ということ聞いたことがある。一定の量をこなさなければ、質の高い仕事はできないということである。
 現在は、残業を含め、若手社員が仕事をいっぱいやりたいと思ってもなかなかできない環境かもしれない。しかし、自己啓発の時間は幾らでもある。休日の過ごし方次第で、仕事の効率も変わる。
 もっとギラギラした目で仕事に取り組んで欲しい。それが、30代、40代の仕事の仕方に影響してくる。