【第90号緒】雨の電車の中での一考

1. 目の届かないところ

 人間はその目の位置から、前方はよく観察できるが、後方は逆に見えない。だから後方への配慮が大事になる。自分の前方にいて、その存在が認知できる人への配慮ができない人もいないわけではないが、ほとんどの人は気を遣う。雨の日の傘や濡れている鞄、コートなどが第三者に触れないようにする。
 後方は目が届かないため、配慮されないことが多い。電車のマナーで、リュックサックなど背負うタイプのバックを満員電車でも降ろさずに、周囲に迷惑をかけていることを注意するポスターを見かけるが、雨の日は特に注意が必要となる。雨でびしょびしょの鞄を押しつけらる側はたまったものではない。公衆浴場などでシャワーを後方に思いっきり飛ばす人もいるが同様である。

2. 音が届く距離

 雨の日は音の伝わりが良くなる。電車内でどれだけ変わるのかはわからないが、やはり気になる。
 たまに車内全員の人と話しているのかと思うぐらい、大きな声を出している人を見かける。大抵は若い女性である。そういえば、最近、大声で話す男性を見なくなった気がする。
 話している内容は本当に内輪なものなのだが、聞こえてきてしまうので、そのまま話の筋を追ってしまう。違うことを考えたいのだが、変な好奇心には勝てない。話しだけならいいが、「キャー」とか「ギャー」とかになると騒音でしかない。
 あまり客観的に自分の行動を振り返ることがないのでは、とも思う。お化粧をしたり、ファッションを気にしたりするのに、自分の“行動”がどう見られているかは、あまり気にしない。本当は服装より、立ち振る舞いの方が重要なのだが。社会人になって突然直そうと思っても、行動のクセは直らないものである。

3. 足元

 本当にファッションに気を使う、身なりに気を配る人は、足元でわかる。ヘアスタイルをばっちり決めて、スーツもパリっと決めて、バックもブランドのものを持っていても、靴が泥だらけだったり、革が擦り切れていたりすると台無しである。
 女性もメイクと靴のギャップがあると首をひねってしまう。
 雨の日は特に感じる。今はおしゃれなレインブーツ(つまり長靴)も出ている。しかし、いつも履いている、履き潰してしまいそうな痛んだ靴で通勤、通学をしている。手入れをしながら履けば靴は本当に長持ちする。筆者は、同じ靴は2日連続で履かない、月に2回は靴にクリームを塗る、シューキーパーを必ず入れる、を実施することで、修理をしながらだが、平均15年は使用している。