【第88号】決められたことができる人とは

1. 時間の使い方

 決められたことができる人の時間の使い方は、いろいろと工夫が見られる。まず、これまでの経験をしっかりとストックしていて、それをうまく活用しながら生産性を向上させている。PCの使い方や同僚とのネットワークによる仕事のノウハウの蓄積が、時間効率のアップを生んでいる。
 また、仕事のメリハリの中で、特に集中して取り組むものと、そうでない作業レベルの仕事を分けて、仕事をする時間帯をそれに合わせている。集中力の高い午前中と少し気の緩む午後とで仕事の内容を変える。それだけで効率が上がる。出勤前の早朝の時間活用も同様。他人に束縛されない時間とは、他人が活動していない時間である。協調したり、打ち合わせしたりするためには、他人が活動している時間の活用となる。

2. 人の使い方

 自分ひとりであれば24時間。2人であれば48時間。そういう形で他人を巻き込みながら仕事を進めていく人の処理量はやはり多い。
 ただし、これは簡単ではない。1+1が2になることもあれば、1.5や3にもなる。それは個々人の能力というよりも、仕事を渡す側、あるいはリードする側がどのように人を使うかを知っているかどうかである。
 効率的に仕事を進めてもらうにはどうすればいいのか。まずは、仕事の全体像を伝えているかどうかである。そして、そのスケジュールを共有しているか、そして段取りより依頼しているか、がポイントになる。
 仕事の一部しか伝えずに、手伝ってもらっても、仕事の下請けであり、求める成果を得られることは少ない。

3. チェックの受け方

 第三者から「ここが間違っている」「そこが遅れている」と言われるのは、気分がいいものではない。しかし、ここを避けてしまってはいい仕事はできないし、決められたことを実行することはできない。
 直前のチェックは避けたい。準備段階から必ず、スケジュール通りなのか、そうでないのかを確認していく。スケジュール通りだからチェックしなくてもよい、ではない。常にこれまでの進捗と今後の予定を確認するスタイルとする。
 「悲観的に準備して楽観的に行動する」が原則である。チェックはそのためにある。そしてチェックを受けるためには、しっかりと報告をする習慣も必要となる。
 一方、チェックをする側は、単なる重箱の隅をつっつくようなチェックではいけない。どうしたらスケジュール通りに進み、質の高い仕事ができるかをアドバイスしなければいけない。