【第65号】今後の人事制度の行方を大胆に予想すると・・・

1.初任給は高いか安いか

 若い人の賃金が上がらないことの問題と、若い人の仕事へのモチベーションが低下している問題は切り離して考えられない。本当に現在の初任給は安いのだろうか。初任給と消費者物価指数の関係で見てみる、1955年との比較で見てみると初任給がおよそ16倍になっているのに対して、消費者物価指数は6倍止まりである。1980年との比較でみても、初任給が1.7倍になっているのに対して、消費者物価指数は1.3倍である。
 これに労働生産性の指標をプラスしてみると、ここ数年労働生産性は上昇していない。サービス業においては、1991年から2006年までの15年間で、0.3%しか伸びていない。
 つまり物価もそして生産性もあまり上がっていないのに、賃金だけがあがっているのである。企業の利益や企業体力、競争力からみたら、初任給は高止まりしている可能性がある。

2.成果主義はなくなるか

 基本的になくなることはない。上記のように、初任給水準すら見直す必要が出てくる。みんながもっと頑張って生産性をあげてくれることを期待しての初任給水準である。入っていきなり、「自分は安月給でもいいので、言われたことしかやりません」「この仕事は向いているとは思わないので、最低限のことしかやりません」などという方々のための水準ではないのである。よって、初任給から評価によっては給与が下がる仕組みすら必要になってくる。
 何をもって成果というのはこれからも難しい判断が必要となるが、生産性に応じた給与という面はより、徹底され、運営のレベルも改善が進んでいくであろう。

3.定年は何歳まで延長されるか

 政府の政策としては、定年が70歳というラインが打ち出されてくると思われる。しかし、企業としては、段々「定年」という概念がなくなってくる。労働人口がどんどん減少してくることはわかっている。企業はさらに優秀な社員を囲いこむことになる。
 優秀な社員は何年でも働いて欲しいのである。結婚しようが、出産しようが、女性社員の復帰も必要となる。
 一方で、やる気がない社員、能力を上げようとしない社員、まじめに働こうとしない社員は、何歳であっても企業にとっては不必要な社員ということになる。
 これは「定年という概念がなくなる」ということである。定年まであと○○年あるから・・・とことなかれ主義で仕事を続ける、ということもできなくなる。
 みなさんの会社はいずれのシナリオにも対応できる体制になっているでしょうか。