【第64号】次なるSNSをどう活用するか

1.昨年が「なう」の年なら今年は「?」

 去年の今ごろ、「ツイッターを始めました」の報告をこのコラムでさせていただいたが、現在では、ツイッターのアカウント取得者が1800万人になったとも言われる。ソフトバンクのCMに歌手の浜崎あゆみが出演したことや、原口前総務大臣のつぶやき、報道記者の不倫騒動、など様々な社会現象を起こしたことからも、ツイッターがかなり日本においても認知されつつあることがわかる。
 有名スポーツ選手をはじめ、様々なオピニオンリーダーが開始したことも伝わってきているので、まだまだ広がっていくものと思われる。
 今年に入ってまた新たなツールが注目を浴びている。日本での映画の公開も影響があるのだろうが、facebookというSNSである。私は半年ほど前にアカウントを取得して始めていたが、ここにきて1年前のツイッターのような熱気を帯びて着ている印象を受ける。

2.匿名の世界から実名の世界へ

 これまでネットの世界は、匿名の世界が中心であったが、このfacebookの一番大きな特徴は原則実名であることである。プロフィールの写真も他のSNSに比べて圧倒的に本人の写真を使用している確立が高い。
 ネットへの信用を置けない人々(実は筆者の家族もそうなのだが)は、かなり警戒心を抱いている。しかし、常に様々な媒体を通じて情報をやりとりをしている立場からすると、自分の意見に同意したり反対する人が匿名であるのと、無いのとでは、全然違う。実名で情報を発信するには、その責任が伴うからである。匿名はある意味、他人事であり、無責任になりがちである(諸般の事情があって、匿名にせざるを得ない場合もあるが)。
 これにより、ネットにおいても誹謗中傷でない、建設的な意見のやり取りや情報交換ができる環境がさらに整ってきたことになる。

3.どう使い分けるべきなのか

 また、実名であることにより、企業にとっても顧客の囲みこみや高い広告効果を見込めるネットワークであるといえる。すでに世界で3億人以上がアカウント登録している(しかも実名!)、これだけのコミュニティが持つ可能性は、無限に広がっている(国内だけでなく全世界である)。
 これまで様々なネット媒体が出てきているが、それを活用できているところは少ない。みんな横並びで、差別化が難しい時代において、どこもやれていない分野は逆にチャンスなのである。
 企業がどのように活用しているかを紹介している書籍も出始めている。「ネットなんて」と最初から敬遠せずに、使える道はないか、探ってみることも重要である。