1.義務のレベル
人材育成は企業における永遠の課題でもある。もう何十年も前から最後に差別化を図るのは「人」と言われているのに、その人を育てることができていない。それは、育成する側にも育成される側にも問題があるが、今回は、育成する側の課題にフォーカスする。
まず、育成する側が、「人材を育てるのは「義務」であり、やらなきゃいけないことだから、やっているのだ」という意識だと結果的にうまくいかにのである。仕事と同じであり、人材育成も「やらされ感満載」だと、育成される側がそれを感じてしまう。押しつけ教育は効果が低い。「これを覚えさせないと」「こういうことが出来るように」と型にはめようとすると、育てる側も育ててもらう側も抵抗感を感じる。
2.共有のレベル
どういう「人材」になりたいのか。どういうスキルを身につけたいのか。どういう形でお客様のお役に立ちたいのか。しっかりと、育成する側とされる側の目指す所が一致していないと効果の高い人材育成にはならない。人材育成の途中に何度も壁にぶつかるし、越えなければならないハードルに遭遇する。そんな時に、人材育成のベクトルが一致していないと、どちらかがくじけてしまう(最悪は、双方がくじけてしまい人材育成が放棄される)。ベクトルが一致していないために、うまくいかない事案が発生する度に、迷いが生じてしまい、お互いの意見が食い違ったり、衝突したりする。そんなことを繰り返していたら、やる気を失うのは当たり前である。共通の「像」を作っておくことが重要となる。
3.楽しく仕事ができるパートナーへ
目指すのは、お互いが助け合い、楽しく仕事ができるパートナーとなることである。そんなイメージが共有できているだろうか。そのためには、信頼関係の構築が必要だし、お互いのスキルの向上も必要となる。育成する側も育成される側も、人間的に魅力を備えていくことがポイントである。企業の職場の人間関係は、「普通」と感じている人が大半で、「ギスギスしている」と感じている人が次に続き、「信頼関係が構築されている」という人が少ないという構成である。これでは、チームワークが良くならない。一生の時間の大半は、仕事に使う時間である。そして多くの場合、家族以上に一緒に過ごすのが仕事のパートナーである。そのパートナーたちと信頼関係が築けていないなんて、こんな悲しいことはない。最初から難しいと思わず、共有レベルからスタートして頂きたい。